【更新】山崎製パンが不二家株式1/3を取得して傘下に・読売報じる
2007年03月06日 08:00
[読売新聞]は3月6日、【山崎製パン(2212)】が資本提携を検討していた【不二家(2211)】の株式を最大で三分の一超まで取得し、事実上傘下におさめる方針を5日までに固めたと報じた。不二家は信頼回復と資本面でのサポートを受け、山崎製パンはカバーする食品領域を拡大しブランド力の強化もはかる。
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不二家では先の衛生管理問題発覚後、山崎製パンの技術的支援を受けて販売再開にかこつけることができた。同時に財務・資本面での支援を不二家側は求めているが、山崎製パン側では正式に応じる動きを見せていない(あくまでも「関係者の話」としてもれ伝わるのみで、正式には検討している段階)。
山崎製パンにとって不二家が傘下に収まるのは、これまで山崎製パンがもっていなかった分野に参入できることもあり、非常に魅力的な対象ともいえる。事実山崎製パンの飯島延浩社長も不二家のグループ参加には意欲を見せている。
不二家の株式を三分の一超まで取得することで、山崎製パンは株主総会で合併などの重要事項に対する拒否権が生じ、事実上不二家の経営権を握ることになる。ただ、不二家では経営不振が続いているため、当初は出資比率をその半分程度にとどめて、業績回復をにらみながら少しずつ出資比率を高めていく方針。
また、50%以上の株式を取得して子会社化すると、決算を連結させねばならず、不二家の大きな赤字がそのまま山崎製パンにもかぶることになる。そのため、50%超の取得化は(もし検討していたとしても)不二家の黒字化が果たされてからのことになると分析している。
不二家としては運転資金となる「現金」が欲しいのであり、山崎製パンに市場に出回っている株式を買われても意味はない。そこで自社株を売るか新たに株式を発行して山崎製パンに買い取ってもらう(第三者割当増資)ことになるわけだが、元記事ではその点については触れていない。
ここまで山崎製パンが不二家に本腰を入れた支援をしている以上、資本提携はほぼ間違いない流れと見てよいだろう。問題はその方法であり、あくまでも50%近い浮動株をひたすらこつこつと買い集めるのか、それとも第三者割当増資だけで出資比率を上げるのか、それとも大株主からの直接購入も含め早急に入手するためにTOBを行うのかなど、今後はどのような手段を用いるのかに注目が集まるに違いない。
また、今件が事実となれば、お菓子業界にも本格的な業界再編の波がやってくることになるのかもしれない。
なお6日午前6時現在、両社とも今件についてはコメントしていない。
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