厚生労働省がタミフルの10代への処方中止を求める

2007年03月21日 08:00

タミフルメージ【NIKKEI NeT】などによるとインフルエンザ治療薬として名を知られている一方、服用者の異常行動などで問題が相次いで発覚している「タミフル」について【厚生労働省】は3月20日、【先の事例】に続き新たに二件、同様のタミフル服用後の異常行動が確認されたことを受け、輸入販売元の【中外製薬(4519)】に対して「10歳以上の未成年の患者には原則として使用を差し控えること」と添付文書の警告欄を改定すると共に緊急安全性情報を医療機関に配布するよう指示した。今件について3月21日朝現在、厚生労働省・中外製薬両者の公式サイトには発表関連資料は掲載されていない。

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元記事によれば新たに添付が指示された喚起文については「10歳以上」と明記されている。この年齢制限について厚生労働省では「10歳未満の場合は、重篤になることが比較的多いため(身動きがとれないので問題とされている行動へは至らないから)、タミフルの服用制限までは求めなかった」と説明している。

今回の指示を受けて中外製薬はカプセルとドライシロップで販売しているタミフル2種の添付文書を改訂し、十代の患者は、合併症、既往歴などからハイリスク患者とされる場合を除いて「原則として使用を中止する」こと、0歳から9歳は使用できるが、使用した場合には異常行動の恐れがあることを家族に説明するよう明記する、としている。

タミフルについてはインフルエンザへはもっとも対抗できる治療薬としてだけでなく、鳥インフルエンザから発現するであろう新型インフルエンザへの「治療薬が開発されるまでの」対処薬として大いに注目・期待を集めている一方、今回の件のように服用した人に、尋常ならざる行動が見られる場合があるなど、問題点も指摘されている。

また最近では、厚生労働省の元課長が中外製薬に天下っているのが明らかになったり、厚生労働省内で「タミフルと問題行動の因果関係を調べているグループ」が、中外製薬から1000万円の寄付金を受け取っているのが発覚するなど、色々と「きな臭い」話も出てきている。

献金や天下りは論外だが、タミフル自身の効用についてはこれまで多数の実例があることから、「頼れるヤツ」という認識で間違いなく、雑音で使用に支障がでることの方が問題。ただ、同じく実例として、さまざまな問題が認めらることも事実。それも正しい情報として公開し、注意をうながし、利用者がリスクを低められるようにすべきだろう。

「買い控えがおきるかもしれないから」「売り上げに影響あるかも」という懸念だけで情報を流さなかったり注意をしないのは、情報開示の世風とはまったく相反する姿勢といえる。最終的に判断するのは服用者など現場の人たち。その現場の判断を誤らせるようなことはつつしんで欲しいものだ。

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