ヤフーが家庭用フィルタソフト「Yahoo! あんしんねっと」を無償化
2007年02月12日 12:30
[ヤフー(4689)]は1月29日、2006年6月からヤフー有料会員のみに提供してきたネット上のコンテンツをフィルタリングするソフト『Yahoo!あんしんねっと』を機能アップすると共に、ヤフーの無料会員でも利用できるようにした。会員登録そのものは必要だが、対価を払う必要なく利用が可能となる。Windows2000/XPに対応し、【専用サイト】からダウンロードできる。
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「Yahoo!あんしんねっと」は子どもにとって不適切と思われるさまざまなウェブサイトを表示しないようにブロックできる、家庭用のパソコン向けフィルタリングソフト。具体的にはブラウザーの「インターネットエクスプローラー(IE)」でアクセスしたウェブサイトをヤフー側がデータベース上で判別し、不適切と判断した場合には表示しないという仕組み。
あらかじめ保護者と子どものヤフー会員の登録が必要で、そのデータに基づいて振り分けが行われるので、「子どものアクセス制限のせいで自分までサイトが見られなくなった」と保護者側が困ることはない。また、最新版ではデータベース上の参照に加え、キーワードでのブロック機能も追加されており、仮に掲示板などで「保護者が見せたくない」内容があった場合にも表示させないことが可能となった。
同ソフトをインストールしたあとは、そのパソコンではアイコン上から「Yahoo!あんしんねっと」にログインした場合のみ、IEでのアクセスが可能になる。そして子どもがログインした場合、各種フィルタ機能が作動し、問題のあるウェブサイトには表示が行われないようにする。
ID毎にアクセス制限の設定を色々と変更するができる。子どもが「このサイトにアクセスしたいよ」と申請し、親がそれを許可するかどうか決められる仕組みも。
保護者側は子どものIDごとに閲覧を許可・制限したいレベルや、特定のサービスなどについての振り分けができる。さらにアクセスの時間制限・時間帯制限や、アクセスしたウェブサイトの履歴を確認できる機能、掲示板などへの任意キーワードの書き込みを防ぐ機能などが用意されている。
例えば高橋名人の「ゲームは1日一時間まで」ではないが、「ネットは1日一時間まで」と家族でルール化した場合、一つのIDで1日のアクセス時間が一時間を超えると警告文が表示されそれ以上はウェブサイトへのアクセスが出来なくなる。この時間計測はそれぞれのパソコンのタイマーではなく、「Yahoo!あんしんねっと」側が管理しているので、パソコン内のタイマーを操作してアクセスがたくさんできるように、という細工は不可能。
子ども向けフィルタサイトとしては【キッズgoo】が、利用頻度・精度・知名度共にナンバーワンで、多くの教育機関でも用いられている。実際当サイトでも時々特定のキーワードで、キッズgoo経由で複数のアクセスが確認されている。恐らくはパソコンを使った授業において、「これを調べましょう」という指示が先生から行われたのだろう。
今回ヤフーが提供する「Yahoo!あんしんねっと」は端末からのインターネットへの(ウェブサイト閲覧という点での)アクセスレベルにまで踏み入った形で「コンテンツフィルタリング」を行うため、規制を強化したいという保護者には「一層安心ができる」ことになる。「キッズgoo」でのアクセス指南では、親に隠れてこっそり別のサイトを使うことは十分にありうるからだ。
通常なら有料ソフト・サービスとして提供してもおかしくないほどの機能を満載している「Yahoo! あんしんねっと」を無料でヤフーが提供するのは、一見何のメリットもないように見える。しかしその実、「無料でもいいから会員数を増やしたい。色々なヤフーのサービスを推薦して、もっと色々なサービスを使って欲しい」という思惑があるのだろう。もっとも、他のサービスを使うかどうかは登録会員それぞれの判断に任されるところなので、ヤフー側の思惑など知るよしもない(笑)。
家族共用のパソコンを使っている、あるいは子どもに専用のパソコンを与えている家庭では、利用を検討してみるのもありだろう。
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(最終更新:2013/08/23)
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