ずさんな不動産管理でREITを運用していたダヴィンチ・セレクトに一部業務停止命令へ
2007年02月15日 08:00
【証券取引等監視委員会】は2月14日、【金融庁】に対して不動産投資信託(REIT)を運用している【ダヴィンチ・セレクト】を行政処分するように勧告した(【発表リリース】)。ダヴィンチ・セレクトは新興REIT【DAオフィス投資法人(8976)】の資産運用を行っている。
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リリースによるとダヴィンチ・セレクトではDAオフィス投資法人の不動産運用について、ずさんな管理(適切な資料の不提示、鑑定評価の未確認)を行って過大な価格で取得させ、投資家の利益を損ねた。金融庁ではこの勧告に基づき、近く同社に業務停止命令を出す方向。
今件についてダヴィンチ・セレクトではそもそもリリースページがなく何の告知もされていないが、資産運用を依頼していたDAオフィス投資法人では【リリースを発し(PDF)】、その中でDAオフィス投資法人自身には何の問題も無かったことを報告すると共に、指摘のダヴィンチ・セレクトに関する問題点やその改善内容を具体的に公表する予定であること、指摘のあった具体的な物件5つについて再調査したところ、うち2件に差額が認められいたことを明らかにした。
住宅関連のずさんなチェック体制については、昨年の耐震強度偽装問題をきっかけに、不動産分野での好景気に水を差すことのないよう、各REITや関連団体・会社に対し、時間とお金をかけてもいいから綿密に再調査を行うべしとする動きがあった。いわゆる「他山の石」というものだ。しかし今回のリリースに目を通した限りでは、指摘された内容はあまりにも意図的・ずさんすぎなものであり、行政処分もやむなしという感が強い。
他の投資法人やそれらの資産管理を行う管理会社には、昨今の市場展開を底支えしているREITや不動産セクターに水を差さないよう、類似の「ずさんな体制」が無いようにと心から祈りたいものだ。
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