「農水省は本気だ」「いや、やる気だ」・農水省、バイオ燃料拡大に関する工程表提出
2007年02月28日 06:30
【農林水産省】は2月27日、日本国産のバイオ燃料(バイオエタノール)の大幅な生産拡大に向けた行動計画表を安倍晋三総理に提出し、これを公表した(【発表リリース、PDF】)。官公庁が行動した当日中に自省公式サイトに同じ書類文面を掲載するのは異例のことで、農水省側の「やる気」が見て取れる。
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バイオエタノールは地球温暖化対応策の一環として、また石油などと違い日本国内でも原料が十分に調達できる燃料として注目を集めている。しかしブラジルでは昔から、最近では国策としてヨーロッパやアメリカでさとうきびやとうもろこしなどの穀物を原料にしたバイオエタノールの生産と利用が拡大している一方、日本では進捗が思わしくないのが実情。そこで穀物や廃材などバイオエタノールの原料分野の担当官庁でもある農林水産省が中心になり、今回の現状分析と行動計画表を策定し提出した次第となった。
農林水産省発表リリースによるバイオエタノール生産拡大に関する中長期工程表
行動計画表によれば、2030年までに法制・税制面で減税やインフラ整備に関するサポートを逐次行うと共に、技術開発などを推し進めて今は使われていない稲わらや建築廃材なども原料として活用できる体制を整備。さらに食料廃棄物なども原料として使えるような技術開発を断行し、生産設備の整備と拡大も実施、農水省計画で2011年度には年間5万キロリットル(原油換算3万キロリットル)、2030年度には600万キロリットル(原油換算360万キロリットル)の生産を目指すとしている。
計画としては比較的長期に渡り、しかも多分野にわたる壮大なものではあるし、年間600万キロリットルの生産量をまかなうだけの技術・生産設備・インフラの整備となれば農水省だけで完結できる問題ではなく、大規模なプロジェクトとなることに違いはない。わざわざ食料品を燃料に変換するのなら色々と問題もあろうが、雑草や廃材、規格外食料品、さらにはバイオエタノール精製専用の品種開発と耕作放棄地の有効活用など、まさに従来なら要らないもの、食べられないものを燃料に換えるという、「もったいない」精神にかなう要素が多分に含まれているだけに、期待したいところだ。
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