肥満だと健康保険料がアップ!?・厚生労働省検討へ

2007年02月27日 08:00

肥満イメージ【NIKKEI NeT】が報じたところによると【厚生労働省】はメタボリック症候群(内蔵肥満症候群)問題が深刻化しつつある現状を受けて、メタボリック患者やその予備軍の減少率を、健康保険組合や国民健康保険など、各健康保険の保険財政に反映させる仕組みを作る検討に入った。間接的に「メタボな人は保険料アップ」ということも十分考えられる。

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元記事によるとメタボリック症候群の患者や予備軍の減少率基準値を国が定め、その基準値に一定期間内で達しなかった健康保険に対し、同じく問題となっている高齢者医療を支えるために各健保が負担する負担金を増額する、いわばペナルティを設けるというもの。国では2008年度から新しい健康診断や保険指導もあわせて行うため、この実効性を高めて医療費を抑える狙いがある。

だが一方、元記事でも指摘されているが、サラリーマンなどが加入する健康保険については企業と個人が保険料を折半する仕組みのため「メタボリックは個人の生活習慣が大きな原因。企業の負担まで増えるような、個人・企業の責任まで折半にするこの仕組みはおかしい」という反発も予想されるという。ただこの反発も「従業員の健康管理も企業の責務」と説明されてはグゥのネも出ない感もある。

健康保険や国民健康保険を含め「相互扶助」を基本観念とする保険では、不平等感を無くすために、発病するリスクが一定以上に高い人には保険料を高くしたり加入そのものを断る仕組みがある。そのため、民間の保険では事前に健康状態の告知や医師による診察を義務付けている。健保や国保では「あなたは健康状態に問題があるので加入できません」というわけにもいかないし、これまではどんなに発病リスクが高くとも保険料が割り増しになることは原則的にありえなかった。

しかし今回報じられた「メタボな人が多いなら保険組合の負担金アップ」→「組合財務を維持するためには保険料のアップが必要」→「全員の/メタボな人の保険料アップ」ということになれば、これまでの原則が崩れることになる。

それほどまでに国側がメタボリック症候群に関して危機感を抱いているのか、「高齢者医療負担を増加させるための良い言い訳を見つけたゾ」とほくそえんでいるのかは不明。だが、どのみちメタボリックな人及びその予備軍は、早急に対策を練る必要性がまた一つ増えそうである。あるいは「肥満税」という増税が設けられないだけ、まだマシと考えるべきかもしれない。

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