ビール類似商品バトルは子ども版にも・「こどもびいる」の類似品「よいこのびいる」、販売停止で和解

2007年02月25日 07:30

こどもびいるイメージ【毎日新聞】の報によると、子ども向けの「ビールっぽく見える」炭酸飲料の商品名やデザインを巡る法廷闘争で、元祖と言われている「こどもびいる」販売元の【友桝(ともます)飲料】の主張がほぼ受け入れられ、「よいこのびいる」を販売する【ハタ鉱泉】が今年限りで販売を止める内容の和解が大阪地裁で成立した。ビール業界でもブランド名などで類似品に関する争いは幾度と無く生じているが、ビールもどきの飲料が、類似商品の登場やそれに伴う裁判までも真似てしまった形となった。

スポンサードリンク

よいこのびいるイメージ
元記事によると2003年12月に製造を開始した「こどもびいる」(【参考:ますますパワーアップ「こどもびいる」のお仲間として「こどもおつまみ」登場】)に対し、ハタ鉱泉では2005年8月から関西地域を中心にスーパーやコンビニで「よいこのびいる」の販売を開始。売り上げは「こどもびいる」が300万本(2年半)だったのに対し「よいこのびいる」は1000万本に達している。元祖の方が販売本数が少ないのは、「こどもびいる」が飲食店や旅館・通信販売に流通を限定し、ダース単位でしか購入できないようにしてブランド力を高めた戦略を採用したことによるものともされている。

「こどもびいる」と「よいこのびいる」の間では表記の仕方やビンのスタイル、味などで「真似られている。混同を招く」「オリジナルだ。味が違う」などとの水掛け論争が繰り広げられていたが、2006年10月に「よいこのびいる」の商標登録出願に対し【特許庁】が「こどもびいると似ているから登録はできない」という判断を下し、官公庁の判断として「似ている」という結果が出た。これを受けて裁判所の和解勧告に応じ、「今年一杯で販売停止」「和解金20万円(損害賠償請求額は2100万円)」の条件で和解した。なおハタ鉱泉側では中身やビンは今のままで、商品名だけを変えて販売を続けるというが、また揉め事にならないかと心配でもある。

なお元記事でも指摘されているが「こどもびいる」がアイディア勝負的な商品であり、製造そのものは容易であることからハタ鉱泉以外にも大小を問わず多くの企業が類似商品を発売している。当サイトでも以前に飲料メーカーでは大手の【サンガリア】が発売している【こどもののみもの】を紹介した。「びいる」がついていなければ良いのか、元記事にある「おこちゃまびいる」や「なかよしっこのびいる」などはどうなのか、など問題は山積しているようにも見えるが、友桝飲料側では「シェアが小さい」ことなどから静観の構えを見せているという。

これら「こどもびいる」もどきはディスカウントストアやスーパーの特売コーナーで見かけるが、いずれもかなりの値引きがされ、それでも大量に売れ残っている状態であることが多い。それらを見る限り、「こどもびいる」が販売ルートを限定し、ブランド力を維持するという戦略は、正しい方策であったことがうかがえる。

落ちをつけるとすれば、「こどもびいる」なだけにアイディアを真似てオリジナルを主張するような「おとなげない」ことはするな、というところだろうか。


■関連記事:
【100円ショップ・ディスカウントストアは「駆け込み寺」?……型落ち品やデッドストックの観察】


(最終更新:2013/08/22)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ