「受信料義務化に強く反対」・総務相専門チームが反対で意見一致

2007年02月25日 07:30

時節イメージ【NIKKEI NeT】の報によると菅義偉総務相に助言や企画立案を行う専門チーム(参謀集団のようなもの、通信・放送問題タスクフォース。代表・松原聡東洋大教授)は2月23日の第3回会合で、昨今NHKと総務省の間で綱引きが行われている受信料支払い義務化について、「反対」で意見が一致した。総務省内では「NHKの受信料を義務化するには、それなりの前提が整っていることが必要」としてNHK側に受信料そのものの値下げや機構改革を強く求めており、今回の意見集約はそれを後押しした形となる。

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専門チームではNHKの受信料義務化について「NHKの経営改革などが進まない限り、義務化には強く反対する」と結論付けている。代表の【松原氏のウェブサイト】では、氏の弁で次のように説明されている。

NHK改革について、議論が交わされました。焦点は、NHK受信料の義務化。今の法律でも、受信料支払の義務があるのですが、法律の文章では「受信契約」を結ぶ義務、となっていて、支払い義務の文字がないのです。それが、「払わなくていい」という誤解を招いています。
 NHK受信料は払わなくても見られてしまい、払わない人はフリーライダー(ただのり)になるし、まじめに払う人は、フリーライダーの人の分も余分に受信料を払うことになる。私自身は、受信料は義務化すべきだと思っています。
 しかし、今のままの不祥事が続発したNHKでは、とても義務化は国民にお願いできない。しっかりとした改革が進むことと、義務化はワンセットだ、との考えです。
 23日のタスクフォースでは、受信料義務化するだけのNHK改革は進んでいない、ということで参与全員の意見が一致しました。


要は「義務化はすべきで法律の文言にもそれを含めるべき。それにはNHK側の改革が前提となるが、現在のNHKは義務化を主張できるような体制には無い」とし、「NHKよ、しっかりしないとダメよ」ということになる。

この意見集約が行われた「通信・放送問題タスクフォース」だが、調べてみると【開設されたのは2006年の12月26日】。それからわずか一か月半の間に3回も開催されたことになる。専門チームの会合にしてはかなり多い方といえよう。

受信料義務化や基本台帳のデータ取得など要求ばかりを繰り返し、一方で義務要件については先延ばしを続けるNHKサイド。総務相の関連チームからも「改革がなってない」と突っ込まれた上で、どのような反応を示すのか。「マスメディアの自浄作用」がどこまで確かなものかを確認する意味でも注目したいところだ。

「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)
「徴収コストがかかりすぎ。抜本的な見直しをして数値目標を設定しろ」(1月26日、菅総務相)
「値下げは将来的にはしたい。でも分からない。具体的な数字は挙げられない」(1月26日、NHK橋本会長)
「料金体系の抜本的見直しを9月までにまとめる。その中で可能ならば値下げを考慮する」(1月31日、NHK橋本会長)
「受信料支払いの対象を把握するために住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使いたい」(2月1日、NHK橋本会長)
「9月では遅い。もっと早く結論を出せ。住基ネットなど必要は無い。現在の住民票による調査で十分だ」(2月2日、菅総務相)
「住基ネットのデータは不必要。既存システムでやりくりしろ」(2月5日、総務省松田隆利事務次官)
(ここまでで「2割値下げと総務省は言うがその根拠を示せ」NHK側)
「2割値下げの根拠を4パターンに分けて提示した。今後さらに精査してつめていく」(2月5日、総務省)
「色々考察する必要があるので値下げができるかどうかの試算に9月までかかることは譲れない」(2月13日、NHK経営委員長)
「受信料義務化は必要だがNHKの改革とワンセット。今は全然改革が進んでいない。だから義務化には反対」(2月23日、総務省タスクチーム)←今回はここ。


(最終更新:2013/08/22)

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