お腹の調子を整えるオリゴ糖入りコーヒー・インスタントコーヒーでは初のトクホ指定
2007年02月20日 07:30
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]にあるインスタントコーヒーの開発エピソードが掲載されていた。【AGF(味の素ゼネラルフーヅ)】のトクホ(特定保健用食品)指定を受けたインスタントコーヒー【ブレンディ・リキッドコーヒー(ブレンディ・コーヒーオリゴ糖入り)】の開発とトクホ指定を受けるまでの物語だ。
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特定保健用食品とは、「血圧をコントロールする」「胃腸の調子を整える」などの効能が科学的に証明されていると国(【厚生労働省】)が認めた健康食品。気分を落ち着かせたり目を覚まさせる効用を期待して服用することも多いコーヒーだが、「健康食品」として国に認定されるというのも珍しい。これは【トクホ指定時のリリース】にもあるが、「コーヒーオリゴ糖」に整腸効果があることを解明したAGFが「コーヒーオリゴ糖」そのものにトクホ表示許可を取得。
その後も研究を続け、「コーヒーオリゴ糖」には体脂肪低減の作用もあることが解明。2006年9月には「体脂肪が気になる方へ適したコーヒー飲料」というトクホ表示許可を取得した。特定保健用食品の中で体脂肪に関する表示許可を取得としたコーヒー飲料は、AGFが初めてであり、オリゴ糖としても初めての取得となる。
上記Sankei Webのエピソード記事によると、一連の「コーヒーオリゴ糖」に関する開発は、AGF商品・技術開発研究所基盤科学グループ統轄マネージャーの藤井繁佳氏によるものだという。AGFが元々「コーヒーオリゴ糖」の抽出特許を持っていたものの、価値を見出すことが出来ていなかったとして、研究に没頭(詳細は元記事を参照のこと)。
結果として整腸効果と、砂糖の1/5ほどの甘さとコーヒーのこく・まろやかさを増加させる特性を確認。インスタントコーヒーに入れることを決めたという。現在ではインスタントコーヒーだけでなく、ボトルコーヒーにもコーヒーオリゴ糖入り商品が登場している。
特許庁に申請をし、認められた特許のうち半数以上は有効利用されずに眠ったままの状態が続いているという。今回の「コーヒーオリゴ糖」も(元記事にあるように)「オリゴ糖ならお腹に優しいはずだ」という単純な発想から研究がはじまり、6年もの歳月を経てようやく成果として現れることになった。特許の数々が使われずに朽ちていくのは取得した個人や企業にとってだけでなく、一般消費者にとっても大きな損失だ。AGFの研究がなければコーヒーオリゴ糖入りのコーヒーは世に登場しなかったのだから。
時間をかけてじっくりと焙煎していくコーヒーのように、技術も人も商品も、丹念に育てていくべき。コーヒーオリゴ糖入りのブレンディコーヒーがトクホ指定を受けた今件は、信念を持ってすれば努力は必ず報われるという良い例だろう。
(最終更新:2013/08/30)
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