「指一本でうどんがタダで食べられる!」・あの「はなまるうどんのうどん定期」で使われていた指紋認証システム

2007年02月17日 12:30

はなまるうどんの指紋認証イメージ先に【500円の定期券で「毎日うどんがタダで食べられる」! はなまるうどんがうどん定期券発行】で紹介した【はなまるうどん】の「うどん定期券」だが、以前実験として行われていた「うどん定期券」システムでは実際に定期券を発行するのではなく、指紋認証で行われていたというエピソードが明らかになった(【日経BPの記事】などから)。登録すれば実物の定期券を持たず手ぶらで「うどん無料」が堪能できるという、ちょっと未来志向的なこの仕組みについて、指紋認証システムを【開発した会社の説明ページ】を見つけたので紹介。

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TCRZ TouchStripReader指紋認証機器イメージ前回の「うどん定期券」システムで導入されたのは【Knet】の指紋認証システム「TCRZ TouchStripReader指紋認証機器」。はなまるうどん仕様ということでオレンジに着色されているが、基本は同じ。利用者はまず1000円で一か月有効な定期券……というより定期購入の「権利」を買い、データとして登録してもらう。その際に本人の指紋も認証用として登録。あとは利用したい店舗で自分の指を指紋認証システム上に置けば、データベースと照合した上で割引(105円)をしてもらえることになる。

割引額は一回105円。105円のかけうどんなら財布を持たずに手ぶらで来店してもうどんが食べられることになる。まさにフリーハンドイーティングシステム。この時の仕組みでは一度の注文に1時間の待ち時間が必要であり、連続しての購入・利用はできないことになっていた。逆にいえば一時間おきに来店すれば一日何度でも使うことができるため、1日最大14回の利用が可能(9時から22時半までの開店として計算)。1日14杯のかけうどんが(一度定期を買ってしまえば)食べられるという、夢のような世界が目の前に広がっていた。

Knetでは定期券を実際に発行せずに指紋認証で置き換えたこのシステムの導入について、

「株式会社はなまる」では、顧客を定着させ、来店回数を増やす為に、上記内容の定期券の導入を検討しておりましたが、本人確認が障壁となっておりました。そこで、最新の技術である指紋認証システムを導入することにより、その問題は解決され、さらに顧客は持ち歩く必要もなくなりました。105円の「うどん」を扱う当店では、お金すら持たないで来店されても、食べる事が可能となります。


と説明していた。つまり便利さを追求した結果、定期券発行ではなく指紋認証という回答が得られた、ということだ。未来志向的な指紋認証システムなど実際には高くて実用的ではない……という感じもしたのだが、【実際にKnetの指紋認証システムの販売ページ】を見てみると、1台あたり1万円程度で一般販売されていた。USB接続でパソコンにつなげ、付属ソフトで認証が可能とのこと。これなら個人の小店舗や学生のサークル活動などでも使えそうな雰囲気。

しかしながら、以前の「うどん定期券」では指紋認証システムの導入と実際の定期券不発行というシステムを導入しておきながら、今回(今年4月から導入の分)は定期券の発行と指紋認証システムの不採用(リリースに表記が一切ないので今回は導入していないと思われる)という事実をどう見るべきだろうか。

はなまるうどんの指紋認証イメージ指紋の認証度が甘くて使い物にならなかったという話は聞いていない。「認証誤認率:0.001%以下」という数字が記載されているし、前回の試験導入の体験談が書かれているレポートやブログに目を通しても「エラーが出た」という逸話は伝わってこない。これらのことから「認証システムに問題があって実採用は取りやめになった」ということではないという推測ができる。

その一方、前回も今回も「試験導入」というキーワードが見受けられる。これらのことから、はなまるうどん、そしてその親会社の【吉野家(9861)】としては、さまざまな手法を試験的に導入して問題点をピックアップすると共にお客やフランチャイズ店の反応を見て、何らかの形で本格導入を目指そうとしているのではないかと推測できる。

お店や窓口で定期券分の代金を支払えば、牛丼やうどんがいつでも食べられる。お店来店のハードルが低くなれば来場率も高まるし、「何かついでに買っていこう」というアプローチ戦略を丹念に行えば客単価も高まるだろう。こんなことを考えているのではないか……という推定だ。また、定期、指紋認証とくれば、後はICタグと携帯が想像できる。何らかの形で今後、これらの「身近なハイテクシステム」を用いた実証実験が行われるかもしれない。

そして(可能性としての話に過ぎないが)将来にははなまるうどんや吉野家でのお買い物、食事には現金を持ち歩く必要がないような、便利システムが導入されることになることも考えられる。もっとも携帯については「おサイフケータイ」「Edy」などによる支払いシステムを導入すればよいだけなので、さほど難しくもなく、斬新さも見られないのだが。

ともあれ現実味があるかどうかは不明だが、面白いことになるのだけは間違いないだろう。


(最終更新:2013/09/02)

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