【更新】陸軍戦闘機「隼」の実物大模型が鹿児島県知覧町へ
2007年02月16日 06:30
[読売新聞]の報によると、旧日本陸軍の一式戦闘機「隼(はやぶさ)」の実物大模型が2月10日、鹿児島県知覧町にある[平和公園]に設置され、除幕式が行われた。
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鹿児島県知覧町は太平洋戦争末期には陸軍特攻基地が置かれた場所。現在その基地跡には[特攻平和会館]が建てられ、当時の真情を後世に正しく伝え、世界恒久の平和を願い「平和の尊さを語りつぐ町」として全国に情報発信をしている。また陸軍機の「疾風」「飛燕」以外に海軍機の「零戦」、復元された一式戦闘機「隼」なども展示されている。
今回平和公園に設置された「隼」の模型は、石原慎太郎・東京都知事の製作総指揮で、5月12日から全国で上映される特攻隊員の青春を描いた映画[俺は、君のためにこそ死ににいく]の撮影用に制作された実物大モデル。繊維強化プラスチック製で全長8.92メートル、全幅10.84メートル。「戦史資料としても貴重」ということで知覧町が配給側の東映に譲渡を申し入れ、今回の設置が実現することになった。
また[南日本新聞]によると、知覧町はこの「隼」だけでなくもう1機、さらには他の撮影用セット(コックピットやタンクなど)を購入し平和公園などに設置する予定だという。元々映画自身が知覧町を舞台にしたものであり、平和教育の資料になるから、というもので、運搬費を含めた費用は1800万円ほど。平和会館の基金で購入するという。
「隼」は総生産数5000機以上と日本の戦闘機としては「零戦」についで多い機体であると共に、その多さから戦争末期では特攻機として多く用いられたことでも知られている。使用時にはすでに旧式機と化していた同機を用いねばならなかった当時の状況や、それにまつわるさまざまな人の思いを推し量るに、複雑な心境にならざるを得ない。
平和公園に設置される「隼」は、無言で何を語ろうとするのか。近くを訪れた人はぜひ一度足を運んで、心の耳を開いてほしい。
(最終更新:2013/09/12)
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