主役はディカプリオ!~エンロン破綻事件をワーナー・ブラザーズが映画化
2007年02月15日 08:00
【TeenHollywood.Com】など海外映画系メディアが伝えるところによると、アメリカの大手映画会社【ワーナー・ブラザーズ】は2月13日、粉飾決算の発覚に端を発しさまざまな問題が露呈して経営破綻を起こしたアメリカのエネルギー会社エンロン(Enron)事件を、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)主演で映画化すると発表した。撮影開始・公開時期・具体的タイトルなどは未定。
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エンロン事件とは1930年に端を発する大手エネルギー会社エンロンが、積極的にデリバティブ取引を行い規模を拡大したものの、本業そっちのけで取引に注力、粉飾決算にも手を染めたことから事がはじまるもの。巨額の損失が発生したが担当する有力な会計事務所や顧問法律事務所とグルになって粉飾を行い、やがて事実が露呈。2001年12月に事実上倒産する。同社株を保有していた多くの資産家やファンドが巨額の損失を抱える一方で、経営陣やその家族は大量に売りぬけを行っており、インサイダー取引の疑いで調査も受けている。
エンロン事件はその後に続く、アメリカ市場における「会計不信」のきっかけとなり、翌年のワールドコムの不正発覚と破綻につながるなど、21世紀初頭におけるアメリカの市場経済を象徴する事件の一つとして、歴史に1ページを加えることとなった。
今回発表された映画については、ニューヨーク・タイムズ紙の記者が執筆した『Conspiracy of Fools』を元に、『ロンゲスト・ヤード』や『テキサス・チェーンソー ビギニング』を手がけたシェルダン・ターナー(Sheldon Turner)が脚本を担当するとも報じている。同氏は「この著書には事実を恐ろしい映画のように読ませるだけの迫力がある。そして私はこれを読み、エンロン事件を部外者の観点で(この映画で)論じるべきだと実感した」(Kurt made the factual stuff read like a thriller, and it felt right to tell the story from the point of view of an outsider.)と述べている。
同書(Conspiracy of Fools)を当方は読んだことがないので詳細は不明だが、最近は悪役もそつなくこなす名優としてますます油が乗っているディカプリオが、どの役を演じ、エンロン事件を演出していくのか、楽しみにしたいところだ。
大規模な経済事件を映画化したものといえば、先に【みずほ証券のジェイコム誤発注問題で連想したもの……映画紹介『マネートレーダ/銀行崩壊』】でも記事にした『マネートレーダ/銀行崩壊』が知られている。この『マネートレーダー』ほどに、後世まで名を残すような名作として完成するよう、期待したいところだ。
(最終更新:2013/09/12)
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