セブンイレブン、トヨタ子会社と共同で両替商こと「つり銭用小銭交換サービス」開始
2007年02月14日 06:30
【セブンイレブン(3382)】は2月13日、【トヨタ(7203)】の子会社であるトヨタファイナンシャルサービスと共同で、春にも新会社を設立し、中小の小売やサービス事業者を対象にした「営業用つり銭サービス」をはじめとする金融サービス事業を立ち上げると発表した(発表リリース)。
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リリースによると新会社による新事業では、独自のつり銭交換機を用い、日本国内の小売・飲食サービスなど340万店におよぶ一般事業者の「現金ニーズ」に対応する。すでにセブンイレブンでは独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」を今春にも発行しつり銭を少なくする方向でお客を誘導しているが、同時に今回の事業参入で営業用の小銭のニーズにも対応する。そして「電子マネー」と「小銭」という相反する二つの方面から、小口決済や現金周りのトータルサポート体制を構築するという。
今回の「つり銭用小銭交換サービス」の背景には、一般金融機関が営業用のつり銭を提供する場をコストの面などから縮小しつつあるため、中小の小売店ではつり銭を用意するのにこれまで以上の労力と費用がかかるようになったという状況がある。また、セブンイレブン側にも同様の「小銭の用意が大変」という問題があった。
今回、「釣銭交換機サービス」と「釣銭宅配サービス」を提供するわけだが、特に「交換機」は24時間365日のサービスを実施することの意義は大きい。お客の「つり銭が必要」というニーズに応えるだけでなく、これまでの銀行にあるような「夕方3時(5時)まで」「土日は利用できない」という制限無く、いつでもつり銭用小銭を調達できるという安心感をも中小の小売店に提供するわけだ。
セブンイレブン側では今回の事業参入を「セブン銀行につぐ第二の金融事業」「市場のつり銭ニーズに対応、潜在ニーズを顕著化」「公共性の高い金融サービス事業の展開」などと分析している。
具体的につり銭交換機がどのようなスペックで手数料はどれくらいなのか、つり銭宅配サービスともなれば小銭であろうと「現金の配達」になるわけで、法律上や防犯上の対策・問題はクリアできるのかなど、気になる点は多い。一般のお客にはあまり関係のない話であるものの、セブンイレブンがどのような事業戦略を頭に描いているかがうかがえる、面白い話であるのに違いはないだろう。
ある意味、他のコンビニチェーン店とは別の方面からの「地域密着型」コンビニになりうる可能性を秘めた今回の「つり銭」サービス、セブンイレブンが江戸時代の「両替商」的な場所としても認知されるきっかけになるのかもしれない。
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