税金滞納者からの差し押さえ品を換金し、税金の代わりとするのが目的のオークションである以上、どのような商品も登場しえる。それこそ車や土地、船なども見受けられるくらいだ。しかしこれらの「マニアな」商品群を見ていると、そしてその商品たちのコピーを見ていると、「差し押さえられる側も差し押さえる側も、時代の最先端を行っているな」とつくづく感じさせられる。

マニアなアイテムの一部。古銭や高級置物に混じってこういったアイテムが出品されているのを見ると、その、なんだ。

出品されていたマニアな商品はドリームキャスト(セガの家庭用ゲーム機)用ソフトやエヴァンゲリオンのフィギュア、『ラブひな』のスタンドポップなど、少々時代の古いものばかり。差し押さえられた人物の趣味がある程度うかがいしれる。エヴァのフィギュアに「マニア必見!」「夏を先取り!」などのあおり文句が使われているのを見ると、依頼された業者の手によるものかもしれないとはいえ、「お役所もずいぶんと開放的になったものだ」と感心すらさせられる。

ただ、商品の設定価格が微妙なところにあるものも多く(差押え品オークションだから当然なのだが)、もしかしたら「これはぼったくりでは?」「市場相場と一桁違う、超お買い得だ!」というものがあるかもしれない。マニア向け商品の適正相場はお役所にも当方にもつかみにくい。それと同時に、これらの商品が差し押さえられた背景を思い返すと、色々と複雑な気分になるのも否定できない。

ともあれ、通常の質流れや差し押さえ財産オークションと同じように、マニアな商品もかなりの掘り出し物が安価で手に入るチャンスかもしれない。気になる人は普通のオークションコーナーだけでなく官公庁コーナーもこまめにチェックするとよいだろう。

(最終更新:2013/08/23)