家具や文具のコクヨ、障碍者雇用の促進で農業に進出
2007年02月10日 08:30
事務用品大手の【コクヨ(7984)】は2月8日、障碍者雇用の促進を目的とした農業生産法人ハートランドを昨年12月25日設立し、1月16日には泉南市から農業生産法人としての認可を得たと発表した(【発表リリース】)。コクヨではこの子会社を通じ、農業事業に進出すると共に、障碍者の雇用確保に貢献するとしている。
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コクヨではハートランドの事業により、障碍者に就労の場を提供するだけでなく、安全・安心な野菜の生産を行う。そして年々担い手や耕作面積が減少している農業の復活に貢献できる事業の実現を目指するとしている。具体的な事業内容として、作業の負荷・安全性や生産物の品質・数量・労働日の安定性などを考慮した上で、農薬を使用せずに、ほうれん草など葉菜類の水耕栽培と販売を行うとのこと。実際葉モノは野菜の種類や品種をうまく選択すれば、重労働をひかえられると共に生産量を安定化させることが可能である(ただし腰が痛くなるが)。
農地としては大阪府にある「かるがもの里」(4000平方メートル)を使用。大阪府及び地元農家などの協力を得て、事業を執り行い、10月から栽培を開始する予定であるという。
障害者雇用促進法の改正で色々と問題が指摘され、特に雇用関係で物議をかもしている点と、担い手が不足する一方で食の安全性について再認識が話題となっている昨今の現状をうまくリンケージさせ、双方の問題を一挙に解決、さらに社会貢献も果たすという興味深い試みとして評価できるだろう。あとはいかに採算が取れるラインにもっていけるか、ビジネスモデルの確立が必要になるわけだが、高単価の野菜を安定供給することができれば難しくはないだろう。
コクヨとハートランドの今後の展開に期待すると共に、ビジネスの成功を心から祈りたい。
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