「金属相場の将来は非常に明るい」「農産物価格が高値を更新するだろう」ジム・ロジャーズ氏、直近と今後の市場展開にコメント
2007年02月08日 08:00
先物取引のカリスマ的存在であるジム・ロジャーズ氏は2月7日、オーストラリアのメルボルンで報道陣に、非鉄金属相場や地球温暖化、中国について市場展開を交えてさまざまなコメントを行った(【参照:インフォシーク経由ブルームバーグ】)。世界の先物市場の動向に大きな影響力を持ちうる氏の発言だけに、特に金属・農産物相場に関する言及は興味深いものがある。
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ジム・ロジャーズ氏は同じく世界的な投資家の一人であるジョージ・ソロス氏とかつてパートナーシップを結んでいた先物取引中心の投資家。ソロスと運営したファンドは10年間で30倍以上もの収益を上げたことで伝説的な存在になる。その後現在にいたるまで【Rogers International Commodity index(RICI)】を運営し、こちらも設立(1998年)以降10年も経たずに倍以上の運用成績を達成している。
元記事によると、ジム・ロジャーズ氏が語ったのは次の4項目。
・非鉄金属相場
堅調。ニッケルよりは銀かパラジウムが有望だが、自分自身は買っていない。現在は調整局面。
・商品相場の強気傾向継続
最短で15年(2014年まで)、最長で23年(2022年まで)続くだろう。ただ、資源やエネルギーについては色々な代替原料や技術が開発途中にあり、今後どうなるか分からない。
・地球温暖化
どう転ぶか分からない。ただ、温暖化によって農業が影響を受けるのは確か。農作物をできるだけ買う方が良いということは分かる。
・農作物価格
地球温暖化だけでなく中国の影響で農作物価格が高値を更新するだろう。農作物の買いを推奨する。
現在の市場動向だけでなく、【オーストラリアでの干ばつ続く、食用油も値上げか】にもあるように干ばつの被害が大きいオーストラリアでの講演ということもあり、農作物への言及がいくつも見受けられるのが分かる。
ちなみに現在【公開されている】RICIのファンド組み合わせによると、「原油」21.0%・「IPE(ロンドンの石油取引所)ブレンド原油」14.0%、「小麦」7.0%、「アルミニウム」4.0%、「銅」4.0%、「とうもろこし」4.75%、「綿」4.05%などとなっている。
日本でも東証や大証が春から夏にかけて、商品市場と連動する形での投資信託(商品ETF)を販売する予定を打ち出している。今後これまで以上にジム・ロジャーズ氏の発言が日本でも注目されるようになるだろう。
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