「バレンタイン好き? 嫌い?」・米アマゾンでイカすバレンタインフェア実施中

2007年02月06日 20:00

バレンタインイメージ「毎年節分を過ぎたこの時期になると、新聞広告や街中のポスターが色あでやかになり、食品街の中でも洋菓子部門が特に活気付いてくる。バン・アレン帯だかバレンシュタイン閣下だか知らないが、夢見る乙女たちが愛する男性にチョコレートなどのスイーツと共に気持ちを贈り届けるイベント、バレンタインデーの到来である」……とは先の【この時期気になる甘い誘惑、チョコレートたちを56種類の中から・明治製菓「100%チョコレートカフェ」】の書き出し部分だが、そのバレンタインデーを間近にひかえ、アメリカのアマゾンでもキャンペーンが行われている。そのキャンペーンが「提案ビジネス大好きアマゾン」ならではの、ちょっと笑える内容なので紹介することにしよう。

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今、【アメリカのアマゾン】へアクセスすると、次のような特集バナーがトップページに表示される。

アメリカ・アマゾントップページに表示されるバナー
アメリカ・アマゾントップページに表示されるバナー

いわく「2月14日はバレンタインデーですね。さて、あなたに本音を語ってほしいのよ。どちらか一つを選んでね。……あなたはバレンタインデーが好き? それとも大っ嫌い?」というもの。それぞれにはお花と一部サイトで紹介されて有名になった芸術的ペン指しが映し出され、利用者の選択を待っているる「好き」を選ぶと「あなたの愛する人へのプレゼントをご提案しますよ」というメッセージと共にそれ向けの商品が並べられたページへ、「大嫌い」を選ぶと「(バレンタインデーなんかどっか行っちゃえだから)自分自身のための店へどうぞ」とばかりに、それ用の商品が展示されたページへジャンプする。

「バレンタインデー好き好き派」のページ(Valentine's Day: Love Is in the Air)。愛する相手のためのプレゼントがずらりと用意されている。
「バレンタインデー好き好き派」のページ(Valentine's Day: Love Is in the Air)。愛する相手のためのプレゼントがずらりと用意されている。

「バレンタインデー好き好き派」のページ(Valentine's Day: Love Is in the Air)には、愛する相手のためのプレゼントや素敵な時を共に過ごすための演出用アイテムがずらりと用意されている。そして説明には次のようなアドバイスが。

「愛を求めるロマンテストなアナタに、2月14日がアプローチのための素敵な日であるようにと、10人のガイドによるバレンタインデーのプレゼントのアイディアを紹介します。お花や宝石、本など、さまざまなアイテムをプレゼントし、愛を語り合う時間を楽しく過ごすための演出に用いてください」。


具体的な商品もスペシャルなメッセージでお勧めコメントが付されているが、正直言って英語そのものでも歯が浮きまくりな内容である。訳すのも莫迦莫迦しいのでここでは略(笑、色々と察してほしい)。

また、この機能についてはいつか改めて紹介する予定だが、アメリカのアマゾンでは商品に関するコミュニティ形成を積極的に後押しする試みも行われている。そして当然のことながら、バレンタインデーに関する賛成派の討論の場も用意されている。

「バレンタインデーなんて宇宙の果てまで飛んでいけ派」のページ(Valentine's Day: Love Stinks)。憂鬱なバレンタインデーを一人で過ごすためのアイテムや、憎たらしい相手に贈るための(そしてもちろんジョークとして笑える)商品が用意されている。
「バレンタインデーなんて宇宙の果てまで飛んでいけ派」のページ(Valentine's Day: Love Stinks)。憂鬱なバレンタインデーを一人で過ごすためのアイテムや、憎たらしい相手に贈るための(そしてもちろんジョークとして笑える)商品が用意されている。

一方「バレンタインデーなんて宇宙の果てまで飛んでいけ派」のページ(Valentine's Day: Love Stinks)では、憂鬱なバレンタインデーを一人で過ごすためのアイテムや、憎たらしい相手に贈るための(そしてもちろんジョークとして笑える)商品が用意されている。

トップページには次のようなガイダンスコメントが。

レストランに予約を採るのですら困難な、しみったれなバレンタインデーを毛嫌う「ダークサイド」へようこそ。気持ちに正直になって暗黒面的なプレゼントを用意するのもOKですし、この忌々しい日々を過ごす商品を手に入れるのもよいでしょう。浮かれている奴らには勝手にやらせておけばよいのです。あなたは賢くも、満席から解放された2月15日のレストランでゆっくりと食事を採ることでしょう。


と(かなり意訳)いう自嘲じみたメッセージと共にやはりこちらでも討議用のフォーラムが用意されている。先の「ラブラブバレンタインデー派」よりも討議案件が多く、話し合われている頻度も高いのは、まぁ色々とあるのだろう。

どちらかというと「アンチバレンタインデー派」のページの方が作りがしっかりしていて気合が入っている。例えばコメント中のリンクからたどれる小特集ページ「Valentine's Day: Bad Gift Ideas」(バレンタインでの駄目駄目なプレゼントアイディアを紹介)では、ダイエット教本だの掃除機だの(要は「あんたの部屋は汚いね」の意味を込める)、剥製の専門書だのしわ取りクリームだの体重計だのバラ線だのと、「こんなもの愛する相手にバレンタインデーのプレゼントとして贈ろうものなら、よくて無視される、下手すりゃ気がどうにかしたかと病院へ連れて行かれる、恐らくは『ふざけないで!』という罵声と共にひっぱたかれるだろう商品」が紹介されている。センスのよさにも程がある。

ダイエット本だの掃除機だのしわ取りクリームだの……くれぐれもバレンタインデーの贈り物には相応しくないどころか逆効果の商品ばかり。まさにノリノリである。
ダイエット本だの掃除機だのしわ取りクリームだの……くれぐれもバレンタインデーの贈り物には相応しくないどころか逆効果の商品ばかり。まさにノリノリである。

あらゆるイベントをそのノリの良さも手伝って企画化し、利用者を楽しませながら購入意欲を高める「提案」をしていくという点で、アマゾンはきわめて優れたセンスを持っている。今回のバレンタインデーの企画ページであらためてそう感じられた次第だ。


ちなみに記事執筆時には「大好き派」は46.3%、「大嫌い派」は53.7%だった。やや「今年のバレンタインデーは中止です」的な心境の人の方が多いようである。仮に日本で同様の企画を立ち上げたらどうなるだろうか。興味は尽きぬところだ。

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