【更新】大使館設立や右左勢力の対立・『セカンドライフ』で世界が注目
2007年02月01日 06:30
先に【『セカンドライフ』の現状を少々まとめてみる】でも報じたようにまもなく日本語版サービスも開始される、多人数同時参加型ネットワークコミュニケーションゲーム【セカンドライフ】で、その影響力を実感できる出来事が次々と起きている。フランスでは右左両勢力がゲーム内で抗争を繰り広げ、スウェーデン政府にいたっては大使館を開設する。
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[産経新聞経由ロイター通信]によると、フランスはパリで行われていた右派と左派の政治論争が、『セカンドライフ』内で繰り広げられている。今年の春に行われる大統領選で出馬を予定している社会党のロワイヤル元環境相と、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首はそれぞれ『セカンドライフ』内に事務所を設立。ところがそれぞれの支持者が対立候補の事務所の打ちこわしや格闘などを、『セカンドライフ』内で繰り広げるようになったのだという。
「ゲーム内に政治や宗教に関する闘争を持ち込むな」というのはネットゲーム内における共通の「暗黙の了解」ではある。が、言葉どおり「現金な」ゲームである『セカンドライフ』内ではそれも通用しないようだ。今後国家間の争いも起きるのではないかと思うと少々不安。
その一方で、期待を感じ取れるニュースもある。【Arts technica】などの報道によると、スウェーデン政府が1月29日当局者の話として『セカンドライフ』内に仮想大使館を開設することが明らかになった。ゲーム内から同国の情報発信や観光客へのアピールを行う。建物はアメリカ・ワシントンDCにあるスウェーデン大使館のレプリカのスタイルをしており、リンクを経由して各種情報サイトへ誘導したり、スウェーデン文化交流協会の職員(のキャラクター)も常駐し、ガイド役として来場者をサポートするとのこと。数週間のうちには完成し、運営を開始するという。
ワールドワイドに展開するネットワークゲームにおいて、情報を提供し興味を持ってもらうという意味では、非常に興味深く、そして有意義な使い方といえるだろう。そう遠くないうちに大使館ばかりを集めたエリアや、「オランダ村」のように国そのものをアピールするエリアも登場するかもしれない。これもまた「ネットワークコミュニティゲーム」の有意義な使い方として注目を集めるに違いない。
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