「でもそれ無理」総務省の改革意欲提示要求にNHK側は拒否する姿勢

2007年02月28日 12:30

時節イメージ先に【「値下げ不十分なら受信料支払い義務化は見送り」菅義偉総務相語る】でも報じたように【総務省】では2月27日菅義偉総務相が「経営改革と受信料の引き下げ、義務化はセット」と発言しNHK側にこれまでの要求通り「3月中旬までに改革内容と受信料体系の見直しを」と示唆したが、これを受けてNHKの中川潤一理事と小林良介理事は同日記者会見を開き、こちらもこれまでの方針通り「9月末に考えをまとめる」とあらためて表明、総務省側の意向には従わないことを明らかにした(【参照:NIKKEI NeT】)。

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NHK側の説明では「受信料体系を抜本的に見直すには事務的に数か月かかる」として、総務省側の締め切りでは間に合わないと判断。両理事は「(算出中なので)今の段階で値下げを断言する状況にない」と明言した。先にあるように総務省側では一部異論もあるが「受信料値下げや内部改革と、受信料の支払い法的義務化はセット。方向性をNHK側が明示しないと義務化はできない」という姿勢を貫いている。

このままNHK側があくまでも今回のような姿勢を維持し、総務省側でも意趣を変えることがなければ、少なくとも今国会に提出する予定の放送法改正案では受信料義務化は盛り込まれない(あるいは提出そのものがされない)可能性が出てきた。

NHK側では「総務省のスケジュールでは間に合わない。けど受信料は義務化して、お願いっ★」という都合の良い要求をしているわけではなく「受信料義務化が延期、中止されたとしても、9月末という締め切りは動かせない」と腹に決めたようだ。あるいは総務省側の「受信料義務化法案提出締め切り」という切り札に対し、NHK側が「貴方たちが無茶言うから出来るものも出来なくなる。義務化されずに受信料の徴収率が上がらずNHKの経営が左前になったら、貴方たちのせいですよ」という総務省への責任転嫁の意味合いを含めた反論をしているようにも見える。

今回のNHKの反論に対し、総務省側がどのような見解を示すのか。法案提出締め切りまであと2週間、激しい駆け引きが繰り広げられそうだ。

「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)
「徴収コストがかかりすぎ。抜本的な見直しをして数値目標を設定しろ」(1月26日、菅総務相)
「値下げは将来的にはしたい。でも分からない。具体的な数字は挙げられない」(1月26日、NHK橋本会長)
「料金体系の抜本的見直しを9月までにまとめる。その中で可能ならば値下げを考慮する」(1月31日、NHK橋本会長)
「受信料支払いの対象を把握するために住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使いたい」(2月1日、NHK橋本会長)
「9月では遅い。もっと早く結論を出せ。住基ネットなど必要は無い。現在の住民票による調査で十分だ」(2月2日、菅総務相)
「住基ネットのデータは不必要。既存システムでやりくりしろ」(2月5日、総務省松田隆利事務次官)
(ここまでで「2割値下げと総務省は言うがその根拠を示せ」NHK側)
「2割値下げの根拠を4パターンに分けて提示した。今後さらに精査してつめていく」(2月5日、総務省)
「色々考察する必要があるので値下げができるかどうかの試算に9月までかかることは譲れない」(2月13日、NHK経営委員長)
「受信料義務化は必要だがNHKの改革とワンセット。今は全然改革が進んでいない。だから義務化には反対」(2月23日、総務省タスクチーム)
「受信料義務化のタイムリミットは3月13日。それまでにNHK側は誠意ある態度を示せ」(2月27日、菅総務相)
「(総務省がなんと言おうと)料金体系の抜本的見直しは9月末までかかる。それは譲れない」(2月27日、中川潤一理事・小林良介理事)←現在、ここ。


(最終更新:2013/08/22)

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