日本の広告費は5兆9954億円・ネット広告費が3年連続の成長で雑誌広告に迫る

2007年02月21日 06:30

時節イメージ広告代理店国内最大手の[電通(4324)]は2月20日、2006年における日本の広告費に関する調査結果を発表した(【発表リリース、PDF】)。それによると、日本の2006年の広告費は総計で5兆9954億円となり、前年比で0.6%増となった。IT関連業種の広告費が増える一方で、広告費が減少した業種も増加し、広告費の面で成長する業種・しない業種の二分化が進行しているようすがうかがえる。

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詳細はリリースにある通りだが、特に目立つのは主力マスコミ4媒体の新聞・雑誌・ラジオ・テレビが2年連続で広告費の面では前年割れを起こしている一方で、前年比29.3%の伸びを示したネットの広告費3630億円がラジオの1744億円を倍する形で超え、雑誌の3887億円に迫る勢いを示しているのが印象的。

概要的にはトリノ五輪やワールドカップサッカー、ワンセグ放送開始や携帯電話業界のさまざまな動きがあり、関連広告が活発化した。その一方で昨年の衆議院議員選挙や東京モーターショウでの広告増の反動による減少、さらに消費者金融各社が広告を自主規制した影響も如実にあらわれている。

インターネット分野での広告費は3630億円だが、そのうちモバイル広告は390億円、検索連動広告が930億円をしめている。特に後者においては、前年比57.6%増と大幅な伸びを見せており、費用対効果を重視する広告主による出稿が増えているのと、「詳しくは●×で検索してネ」という形でテレビやポスターの広告からネットへの接続と検索を誘導する手法が普及しつつあることも一因であると分析している。

気になる2007年の広告費予測だが、全体としては1.1%増の6兆0613億円を見込んでいる。2006年よりも増加率が増えている件については、個人消費の回復傾向に加えて、パソコンのOSの買い替え需要、統一地方選などの選挙活動の活性化、世界陸上や東京モーターショウなどの展開で広告費の増加が見込めると予想している。ただその一方で、主力マスコミ4媒体の新聞・雑誌・ラジオ・テレビは2006年に続き2007年も1.0%の減を予想しているあたり、電通でもこの方面での勢いが衰えていることを想定しているふしがうかがえる。

とはいえ、2006年度では4大マスコミの合計広告費は3兆5778億円に及び、テレビに限っても2兆円を超え、新聞でも1兆円に届くか届かないかの高額。影響力はまだまだ大きいことにも違いはないだろう。一方で「ネットと既存メディアの融合」というどこかで聞いたセリフではないが、インターネットを活用する既存メディアも増加し、活用範囲も大規模なものになりつつある。4大マスコミによる、インターネット分野での広告費の伸びを少しでも吸収し、取り込もうという動きは今後さらに活発化していくに違いない。

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