銚子電鉄のマスコット電気機関車「デキ3」もついに擬人化
2007年02月18日 19:30
前社長の会社を私物化した経営政策により大規模な負債を抱え財務状態が危機に瀕し、特産品のぬれ煎餅を必至にアピールしたところその健気さから多くの鉄道ファンの支持を集め、地元住民や関係者の支援を受けて再建途上にある千葉の【銚子電鉄】。その銚子電鉄の保有する車両の中でもおもちゃの世界からやってきたかのようなスタイルで、特に注目を集めている電気機関車「デキ3」が【擬人化】された。
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擬人化された「デキ3」
これは鉄道車両などを(主に萌え方向に向けて)擬人化し、新たな観点で鉄道を楽しもうという【鉄道擬人化「Rail-G Station」】の手によるもの。銚子鉄道車両関係では「デキ3」以外に【デハ701/801系】の姿なども見受けられる。もちろんこれらはファンの手によるもので、銚子鉄道の公認ではないが、デキ3をはじめとする各種車両の特性がよく表現されているし、愛らしさも天下一品もの。
近年、「萌え」という文化が言葉として認識された前後から、あらゆる物事・事象を擬人化をして新たな観点で再認識したり、あるいはポジティブなモノの考え方をする手法、趣向が一つのジャンルとして形成されるようになった。特定の物品に神が宿るという概念は世界各国共通してあるものの、「ありとあらゆるものを擬人化する」という傾向は、日本独特の考え方である「八百万(やおよろず)の神」(すべてのものには神が宿る、とする考え方)に根ざしているのだろう。
擬人化された者たちは主にネット上で展開されることになるが、有名どころではマイクロソフト社のOSシステムを題材にした【MeなどをはじめとするOSたん】などが知られている。また、多くの擬人化されたマスコットたちは「萌え」要素を多分に含んでおり、愛着をもって語尾に「~たん」と名づけられることが多い。それらの擬人化されたものの一部は『擬人化たん白書』で確認することができる。
「『~たん』をつけて萌え化すれば何でもいいってわけじゃないだろう」「粗製濫造に過ぎる気が」という批判もあれば「擬人化するのはディフォルメという方式の発展系に過ぎない」「国や地方自治体だって地域やイベントのマスコットキャラクタを次々発表しているだろう」と真面目に肯定する意見もある。当方(不破)としては「悪ふざけが過ぎない限り、その方が断然面白いのだからいいのではないか」という考えではあるが、こればかりは一人一人の「物差し」の違いだから全肯定・否定するわけにもいかないだろう。
肝心の銚子電鉄はといえば、何とか昨年から年を越すことはできたものの、依然として厳しい状況は続いているようだ。似たような境遇に置かれていた【鹿島鉄道】が今年3月末をもって廃線が決まったのも精神的プレッシャーとしてのしかかっている。
擬人化された「デハ701」(右)と
「デハ801」(左)
同じく経営難にある地方私鉄線で、アイディアに富んだ企画を次々送り出している、【津軽鉄道】では先日、【レール・オーナー制】による少額寄付受付を開始している。銚子鉄道でも枕木(レールの下に引く長方形の板)やレールオーナー制を導入すべきではという意見もある。
「デキたん」でも「デハたん」でもいいのだが(いっそのこと正式採用化のアプローチをしてみるのもありだろう。もっとも上手に活用するノウハウが銚子鉄道側にあるかどうかは不明だが)、銚子鉄道ならではの、銚子鉄道にしかない財産を存分に使いこなしてアピールし、会社をバックアップする仕組みを次々と生み出して実用化し、経営を安定させてほしいものである。
※文中に掲載されている、擬人化された銚子鉄道の車両イラストはすべて上記【鉄道擬人化「Rail-G Station」】から抜粋したものです。
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(最終更新:2013/09/12)
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