色々な場面に応用できる「ネットサービス自己防衛の3か条」とは

2007年02月01日 19:50

【NIKKEI NeT】にネットサービスに関する少々気になる記事が掲載されていた。以前から考えていたことにも応用可能な汎用的な教訓が語られていたのでここで紹介し、色々話をふくらませてみることにする。タイトルは「10年前にネット証券がつぶれて、眠れない一夜から得た教訓は」というもの。

スポンサードリンク

話は1997年の秋、山一證券をはじめとする大手証券会社や銀行が倒産し、20世紀末における金融恐慌のきっかけとなった時期に端を発する。元記事の筆者は利用していた証券会社が倒産し、自分の預け入れ金融商品がどうなるのか分からず、不安炸裂モードだったという。結局この時は資産は返却されたが、その時に得た教訓は「お金は分散して預ける」「特定会社のサービスに依存しすぎると、その会社のサービス中断や終了の影響を大きく受ける」というもの。お金か頼るサービスかの違いはあるが、どちらにしても「リスク分散」を忘れずに、というものだ。

さらにその教訓を元に、3つのネットサービス自己防衛を元記事ではリストアップしている。詳細は元記事を参照していただくとして、概要は次の通りとなる。

●ネットサービス自己防衛の3か条
1.類似サービス2つに加入して、リスクを分散する
2.バックアップ機能と、移行機能をチェックする
3.不審を感じたら、他を探して逃げる準備開始


これらの3か条は、ネットサービス上では基本中の基本にして、実にさまざまな点で該当する部分がある。照らし合わせて手を打っておくと役立ちそうなものばかり。具体例をいくつか挙げてみることにしよう。

まずは昨年末に起きたロイターの障害。詳しくは【ロイターの障害で株価やチャート配信がストップ】で報じているが、情報配信元のロイター通信でトラブルが発生し、株価などのデータが閲覧できなくなり、投資判断や注文に多大な影響を与えたもの。このとき、情報が取得できる証券会社(ロイターから情報を入手していない会社)と出来ない証券会社に二分される事態となった。もしはじめから複数の証券口座を持ち、それらが「できる」「できない」証券会社にまたがっていたら、情報の取得が出来ないという事態は免れただろう。

また、【またまた(中略)楽天証券で大規模障害発生】などのように、個別の証券会社のトラブルは(最近こそ少なくなったが)必ず発生しうるリスクである。せっかく売買の機会到来という時に利用している証券会社のサーバーがダウンして取引が出来ない、あるいは逆に「一刻でも早く売らないと暴落の損害が増えてしまう」と絶叫モードに突入しているのに、アクセスがかなわず売り注文が出せないとなれば、泣くに泣けないだろう。

ネットサービスといえば、処理そのものを外部サーバーに任せているさまざまなブログパーツもその類といえる。【制作記……Youtubeが出来るなら自分にも!・動画ファイルをFlash化して自分のサイトに貼り付ける】【映画の最新情報をブログパーツでチェック・eiga.com、ニュース配信ブログパーツ提供】でも触れているが、「ブログパーツはその運営側がサービスを継続しなければ活用できないという弱点がある」。

自分のサーバーやブログがずっと続いたとしても、そのコンテンツ上で利用しているブログパーツなどのサービスを提供している会社が同じように続くとは限らない。気まぐれ、予算不足、リストラ、キャンペーン終了、不採算を理由に、会社の統廃合など、さまざまな理由でサービスが終了してしまう可能性はある。そうなってしまえば、そのブログパーツがあった部分にはエラーメッセージが出るばかりとなる。自分のブログやサーバー内ですべて内部処理していれば、少なくともそういった事態は起こらない。分散によるリスク回避という意味とは少々解釈が違うが、「外へ処理を出すことの危険性」という意味合いでは同じだろう。

リスク分散という意味では、ネット上のサービス利用であろうと、投資における複数銘柄への分散投資や元々複数の金融商品を組み合わせて構成しているETFなどの投資信託への投資が薦められるのも、意図を同じくするものだ。詳しくは【「かごの卵」とリスク分散】で説明しているが、分散処理をすることで、少なくとも「生き残る」可能性は格段に高くなる。

かごを2つに分けた場合「卵を全滅させない可能性」は75%になる
かごを2つに分けた場合「卵を全滅させない可能性」は75%になる(”「かごの卵」とリスク分散”から抜粋)

もちろん、分散も過度なものになると手間ひまがかかったり処理が追いつかなくなるなどのデメリットも生じる。「過ぎたるは及ばざるが如し」というところだ。適度な分散、もしもの時のためのバックアップや移行機能の確認、そして何よりも「情報に敏感なアンテナ、センス」を身につけ活用すべく心がけ、実践することを怠らないようにしよう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ