クロマグロの漁獲枠、2010年までに23%削減へ
2007年02月01日 06:30
【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、マグロの資源保護について話し合う国際会議【大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)】は1月31日、マグロの中でも最高級とされるクロマグロの地中海と東大西洋における日本の漁獲枠が2010年までに23%削減することを決定した。
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同会議ではマグロ漁獲に関して関係する17か国・地域が参加し3日間に渡って開催。資源枯渇が懸念されるため、地中海と東大西洋でのクロマグロの漁獲量総枠を、これまでの年間3万2000トンから段階的に削減、2010年には20%少ない2万5500トンにまで減らすという方針を確認。それに基づいて国ごとの削減枠を協議し、主要各国では漁獲実績に応じて2010年までに約23%ずつを削減することで合意した。これにより日本は2006年に2830トンだったものが2007年に2516トン、その後も段階的に削減し、2010年には2175トンになるという。
水産庁の宮原正典沿岸沖合課長「4年間かかるとはいえ、漁獲量が4分の1近く減らされるため、漁業者は船の数を減らすなどの厳しい対応を迫られることになり、重く受け止めている」としたうえで、市場価格に与える影響については「徐々に削減されていくので、大きな心配はいらないと思う」とコメントしたという。
最近隔週刊誌の料理探偵漫画にマグロが登場したり、有力週刊誌にマグロ漁業の連載漫画がスタートしたりと急に「マグロづいて」来たところから「何かがマグロに起きている?」という雰囲気があったが、実はこのような動きがあったことになる。寿司や刺し身でマグロを愛している人には少々驚きの話かもしれない。
しかし【外務省のマグロ漁業のページ】にもあるように、マグロ資源の枯渇にもっとも大きな影響を与えているのは、今回規制される通常ルートでの漁獲によるものではなく、ルールを守らずにマグロを獲る国の乱獲であるとされている。
先日ラジオ番組でも関係者が語っていたが、日本では世界に先駆けて、このような国際的ルールを守らずにマグロを獲り輸出している業者・国をピックアップし、世界最大マグロ消費国である日本に輸入しないような法律、決まりを制定しているという。要は「最大の顧客である日本に輸出したくば国際的なルールを守れ」とにらみを利かせることで、ルール遵守をうながしていることになる。
今後便乗も含め供給量の減少によりマグロの価格が上昇することは避けられないだろう。ただでさえ燃料の石油価格の高騰で値が上がり、「黒いダイヤにますます磨きがかかった」といわれていただけに、好物としていた人には頭の痛い話かもしれない。とはいえ一部で言われているように、「マグロがまったく食べられなくなる」というわけでは決してないので、くれぐれもお間違えのないように。
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