「がん」への不安をネットで調べて・がんセンターが質問と回答1万件超を掲載したWeb版がんよろず相談Q&Aを公開

2007年02月16日 06:30

時節イメージ【静岡県立がんセンター】は2月15日までに、がん患者の悩みや不安を約1万件、そしてそれらを和らげるための助言や情報を掲載した【Web版がんよろず相談Q&A】を、ウェブサイト上で公開した。

スポンサードリンク

この「Web版がんよろず相談Q&A」は【がんの悩みをサイト上で無料相談し回答をデータベース化、静岡県のがんセンターが「WEB版がんよろず相談」を12月にも開始】でも報じたもので、個別案件に一つずつ応じるのではなく、さまざまな具体的事例を知的データベースとして紹介することで、自分に類似した状況とその説明を読んでもらって悩みを軽減してもらう狙いがある。さらに医療や行政関係者には「こういう事例があるのだからもっと色々手を尽くして欲しい」とさらなる努力を促そうという狙いもある。

Web版がんよろず相談Q&A。具体的な悩みを書いて検索したり、既存の項目分けから探すことができる。3月には閲覧された回数の多い記事をピックアップするコーナーも登場予定。
Web版がんよろず相談Q&A。具体的な悩みを書いて検索したり、既存の項目分けから探すことができる。3月には閲覧された回数の多い記事をピックアップするコーナーも登場予定。

要はがん患者やがん患者だった人たちを中心にした、悩み事相談とその回答を集めた「ナレッジ・マネジメントシステム」のようなもの。がんに限らず病気にかかった患者はその病気自身に対する恐怖感はもちろんだが、自分自身が世界の中で孤立してしまったかのような疎外感を強く心に抱くことが多い。

そのような時に、自分と同じ立場に置かれている、おかれていた人たちの悩みや内訳話をこのようなスタイルのデータベースから紐解き、読める機会が与えられることは大いに心の支えになる。そして孤立感・疎外感から解放されるに違いない。

同ページでは患者の声をまとめた厚生労働省研究班の報告書や、よろず相談の「医療費・経済・就労編」などの冊子がPDFファイル形式で収録されており、誰でも自由にダウンロードして活用できる。患者図書館情報や行政サービスなどの案内ページもあるが、こちらは静岡県民向けなのでそれ以外の地域住民には残念ながらあまり意味がない。

がんと闘っている人、あるいはかつて患者の立場にあり再発の可能性におびえている人、あるいはその家族など、まさにタイトル通りがんに関する「よろず」なデータが収録されている当サイト、静岡県民だけでなく全国レベルで多くの人に役立って欲しいものだ。


■関連記事:
【理科離れを防ぐために・理科実験や観察データをデータベースとして共用化の試み】
【食品メーカー大手が共同で「食の安全情報」を一元化するデータベースを構築】
【成功事例よりも要チェックな失敗事例集こと「失敗知識データベース」】


(最終更新:2013/08/22)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ