【更新】新型インフルエンザの初期封じ込めは不可能・患者1号確定時にはすでに首都圏で3000人感染との試算
2007年02月25日 19:30
[YOMIURI ONLINE]が報じたところによると、人口密集地の首都圏で鳥インフルエンザから発現した新型インフルエンザが発生した場合、「最初の患者の診断が確定した」時には、すでに感染者は首都圏全域で約3000人にも広がっている可能性が明らかになった。【国立感染症研究所】の試算によるもので、大都市圏で感染が確認された場合、早期封じ込めが極めて難しいことが裏付けられた。
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詳細は元記事を参照して欲しいが、「海外で感染し帰国、2日間は通勤をした」「会社員の1メートル以内に近づいた人は感染する」という条件下で試算した場合、その会社員が倒れた原因が新型インフルエンザウイルスによるものであると確認される7日目までには、感染者は3032人に達していたという。
この試算を受けて国立感染症研究所の大日康史研究官は「もし大都市圏で患者が発生したら、早期に大流行に対応する体制をとり、広範囲に自宅待機や休校などの対策を実施するべきだ」と言及している。事実上の外出禁止令の発令を求めるべきだということになる。日本の国内法において「外出禁止令」がどの法律で施行できるのかや、治安や軍事上の理由で無く、しかも夜間のみならず昼夜を問わず外出を禁止することが可能なのかなど、疑問点は多いが、状況が状況なだけに早急な検討が行われるべきだろう。
なお、似たような試算はすでに【1人から4日で30人、8日で8500人、10日で12万人……新型インフルエンザの被害予測を国立感染研究所が検証】でも報じており、こちらでは「8日目に8500人」という数字が出ている。今件も前件も国立感染研究所や厚生労働省から正式な発表は行われておらず(少なくとも公式サイト上ではデータが公開されていない)、媒体などの求めに応じて逐次試算が行われたものと思われる。
このようなシミュレートは条件設定や最新データの違いで、かなり大きな差異が生じるもの。似たような案件(この場合は都市圏における新型インフルエンザの感染の浸透度)で多数の異なった数字が報じられるのは、混乱を引き起こす場合もある。基本方針は今年度中に決定されるとのことだが、その決定策には今回のような試算を「厚生労働省公式試算」として行った上で明記し、確かな目安を提示してほしいものだ。
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(最終更新:2013/08/22)
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