【更新】「Wiiはこれまでのゲーム機とは非連続なもの」任天堂岩田社長語る
2007年01月04日 06:15
[産経新聞]において、[任天堂(7974)]の岩田聡社長のインタビュー記事が掲載された。それによると岩田社長は同時期に発売されている新世代家庭用ゲーム機プレイステーション3について「(競争相手としているのは)『プレイステーション3(PS3)』のような機械ではない」とした上で、同社が先日発売した新世代家庭用ゲーム機『Wii』については「ゲームに興味がない人たちに興味を持ってもらうには何が必要かを考えて」創ったと言及した。
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伝わるまでには時間がかかる。
次々と新しい提案を
する必要がある。
岩田社長はインタビューの中で、携帯ゲーム機ニンテンドーDSが2004年末に発売された当初は年末商戦で150万台売れた後、しばらくセールスが停滞したことに触れ、「幅広い人に面白さが伝わるまでには、時間がかかります。次々と新しい提案をしていかねばなりません」とし、たとえ好調な中でも次々に新しい発見や驚きを顧客に提供し続ける姿勢を見せた。
また「Wii」で『Wii Sports』が一番売れたことには「誰もが楽しめるゲームだから」と感想を述べ、アメリカで少々難しめな『ゼルダの伝説トワイライトプリンセス』の方が売れたことには「日本とは事情が少々異なる」という感想。
さらにDSやWiiの展開について、山内溥前社長が常日頃から述べていた「重厚長大一本やりは危険だ。ゲームにも軽薄短小を持ち込まないといけない」を挙げ、これを胸に秘めて任天堂の舵取りをしなければと心に決め、DSやWiiを発売したことなどを語っている。
他にもDSやWiiについてなかなか興味あるエピソードが語られているが概要をまとめると(詳細は元記事参照のこと)
・DSのコンセプトは「5歳から95歳まで」「誰もが同じスタートライン」
・DSの2画面構成を最初に言い出したのは山内氏。「世間の常識から外れたものを創れ」という意図。
・WiiはPS3のような「機械」ではなく、ゲームに興味がない人たちにも興味を持ってもらうには何が必要かを考えて創ったもの。
・お客が興味を持つのはゲーム機の内容が分かりやすく、面白いかどうか。(映像がきれい=お客が興味を持つとする)従来の延長に答えはない。Wiiでは非連続を目指した。
・Wiiにお天気チャンネルやニュースチャンネルがあるのは、ゲームに興味が無い人にもWiiに触れてもらうため
としている。
最後に岩田社長はDSのセールスがうまくいったことやDSのために生まれたソフトも数多く発売されたことを例にあげ、Wiiでも同じような展開ができれば望ましい、2007年中に例えば『Wii Sports』のようなソフトを3~4本出せれば流れができる、と述べている。
大もとの記事の見出しでは「PS3は視野に無し」という挑発的なメッセージ性がうかがえるが、内容はまったくそのようなことは無い。あくまでも謙虚に、そしてビジネスの基本にそった展開を任天堂が続けていることが分かる。今後どのような「提案」が任天堂から行われるのか、楽しみという人も多いことだろう。
(最終更新:2013/09/14)
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