空自も使用する空中給油機、米で実際の空中給油試験に成功・来月にも日本へ到着
2007年01月25日 08:00
【ボーイング社】は1月24日、旅客機ボーイング767を改造して空中給油機としたKC-767において、B-52爆撃機に対し実際に空中での給油を行うことに成功したと発表した(【発表リリース】)。このKC-767は現行の空中給油機KC-135の後釜に座る予定の機種で、最終的にアメリカだけでなくイタリアと日本でも使用される予定。
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これに先立ち昨年の12月21日にはKC-767の初飛行試験が行われ、こちらも成功裏に試験を終えている(【発表リリース】)。航空自衛隊向けのKC-767は競合するA-310との競争に打ち勝った機体であり、ベースとしては旅客機のボーイング767-200型を用いている。空中給油機としての使用だけでなく、機体内部の貨物室を用いて輸送機としても使用可能。つまり厳密には空中給油輸送機となる。
空中給油輸送機KC-767
航空自衛隊ではすでにこの機体を4機調達済みで、2月には日本に空輸。【川崎重工業(7012)】で受け入れの検査をした後、2月下旬にも納入される予定だという。テストフライトに参加した航空自衛隊の駐在官である永友賢治3佐は「この機体が今年空自に就航するのを楽しみにしているる空中給油能力や貨物輸送能力など相当の柔軟性をそなえており、災害救助や国際貢献にも相当な役割を果たすことだろう」とコメントしている。
先にも記事にしたが、空中給油機を導入することで(絶対制空権の確保が前提だが)、航空機の作戦行動能力が格段に向上し、柔軟性も高まり、しいては整備機体数の節約にもなる。これまでは「給油機を導入すると他国にまで攻撃の手を伸ばせてしまうでは無いか」という一部勢力の根強い反対もあり導入がひかえられていたが、国際貢献活動にも足の長い給油機・輸送機は必要不可欠ということで、今回の導入となった。
ただ、空自が空中給油機を導入・運用するのは今回が初めてとなる。先生となるであろうアメリカ空軍などに運用方法やノウハウの教えを請う必要があるかもしれない。
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