ジェネリック医薬品の品質を再確認する制度を富山県の医薬品工業協会が創設

2007年01月23日 09:00

お薬イメージ【薬事日報】によると薬の行商で知られる【富山県の医薬品工業協会】のジェネリック医薬品を扱う12社で構成される「富薬工ジェネリック委員会」は、富山県内で生産されたジェネリック医薬品について、公的な第三者試験機関が一定ロットごとに品質を再確認する制度を創設した。ジェネリック医薬品に対する品質などへの不安を払しょくすることが狙いだという。すでにダイト、【日医工(4541)】、前田薬品工業、陽進堂の4社が、主力経口剤(口から飲む薬)の公的溶出試験を委託し、「公的溶出規格に適合する」とのお墨付きを得た。

スポンサードリンク

今回創設された制度は、各社の品質管理規格試験に加える形で実施されるもの。各ジェネリック医薬品について、規格の重要試験項目を日本唯一の薬事研究所である【富山県薬事研究所】に試験依頼、品質が確保されていることを再確認するという。

いわば通常の薬品に倍するチェックを行う体制を整えるわけだが、今回の制度創設について富薬工ジェネリック委員会では「品質に対する医師や患者の漠(ばく)とした不安を払拭したいと考えている。さらに本制度が当該試験製剤の品質のみならず、各社の設備機器、製造工程、試験方法、供給体制、情報提供など全ての要素について、品質を向上・維持する契機となり、医薬品市場における富山県産ジェネリック医薬品の信頼性を高め、その普及に結びつけたいと考えている」とコメントしているという。

ジェネリック医薬品とは新薬特許が切れた後に作られる後発医薬品のことを指す。厚生労働省の承認を得れば特許料ナシで発売ができるので値を抑えられる。欧米では一般名(Generic name:成分名)で処方されることが多いことからつけられたもの。「同じ成分を使って安く提供できる、同等の効果が期待できる医薬品」ということで医薬品業界でも必至にアピールをしているが、医師・患者の双方から「医療費を抑えることができる」という賛美の声と共に「効果が疑わしい」との意見も強い。なかなかジェネリック医薬品が普及しないのも、この疑問の声が最大の原因であるといわれている。

今回創設された「富薬工ジェネリック委員会」のように、第三者機関による多重のチェック体制をしくことで、ジェネリック医薬品に対する疑念も晴れるようになるのだろう。同委員会の活躍に期待したいところだ。


■関連記事:
【ジェネリック医薬品への「変更可処方せん」はわずかに11%・福岡県調査】
【2008年のジェネリック医薬品市場は2500億円へ、8.8%の成長】

(最終更新:2013/08/23)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ