「株式投信なのに株式が組み込まれてない?」……投信の分類を明確化・協会が年内見直し

2007年01月09日 12:30

株式イメージ【NIKKEI NeT】は1月9日、【投資信託協会】が2007年中に投信の分類を見直すと報じた。実際には株式を組み入れていないファンドが「株式投信」として扱われるなど、個人投資家から「分かりにくい」という声が出ているのに対応するという。

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具体的には運用資産や地域などで投信を区分。まぎらわしさを無くすようにするとのこと。例えば現在メディアなどでよく取り上げられ耳にすることも多い、日本国内では最大のファンドで「グロソブ」こと国際投信のグローバルソブリンオープン。世界主要先進国のソブリン債券に分散投資をする投資信託で、毎月収支方針にもとづき分配も行われることもあり、人気も高い。

この「グロソブ」も「株式投信」と銘打ってはいるものの、実際には国内外の債券で運用されている。「株式投信なのだから株式で運用しているのでは?」と思う人も多いだろうが、約款(契約書)上「株式を組み入れることができる」という記述さえあればすべて「株式投信」扱いになる。

投資信託協会の説明ページによる投資信託の種類
投資信託協会の説明ページによる投資信託の種類(【該当ページ】)

つまり、「公社債投資信託」では株式の組み込みはできないのに、「株式投資信託」では公社債の組み込みができることになる。これは「公社債のみは公社債投資信託で、それ以外は組み込み可能性も含めて、どれだけ株式だろうが公社債だろうがすべて株式投信とする」という決まりによるものだが、表現的にややこしい仕組みであるのは否めない。先の「グロソブ」にしても、「現在は株式を組み込んでいないが、契約書上に記載されている以上、株式を組み込む可能性がある。だから株式投信でいい」という解釈からくるものだ。

今回の投資信託協会による呼称の改正模索は、この「あいまいなルール」を明確化しようとするもの。例えば「株式投信では過半を株式にしなければいけない、半数未満の場合には株式・公社債混合投信とする」「約款上に記載されていても過去一年の実績においてそれが果たされていない場合、現実のポートフォリオに従った名称を用いること」などにすれば、分かりやすくなるだろう。

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