九州大チーム、脳こうそくの原因となる遺伝子を発見

2007年01月08日 08:30

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、脳こうそくの発症に関わる遺伝子を【九州大学大学院の医学研究院】・清原裕教授らによる研究チームが発見した。脳こうそくは日本人の死亡原因に多い病症なだけに、治療や予防などにつながる研究成果として注目を集めている。

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これは先日九州大学病院で発表され、アメリカの科学誌【ネイチャー・ジェネティックス(Nature Genetics)の電子版】に公開されたもので、脳こうそくの患者・健康な人それぞれ1126人を対象に遺伝子の型について調べたところ、脳こうそくの患者には「細胞に情報を伝えるたんぱく質を形成するプロテインキナーゼ(Protein kinase)Cエータ」という遺伝子に特定の型がある人が多いことが判明した。研究チームではこの調査結果から、「プロテインキナーゼCエータが脳こうそくの発症に関連している」という結論を得た。住民を対象にした疫学調査で、脳こうそくの発症に関連する遺伝子を明らかにしたのは世界で初めのもの。

清原教授は「脳こうそくだけでなく高血圧や糖尿病、がんなどほかの生活習慣病の発症のメカニズムを遺伝子レベルで解明し、治療や予防などにつなげていきたい」としている。

今回の発見は特定の遺伝子パターンを持つ人が脳こうそくになる・その遺伝子を取り除けば必ず脳こうそくは防げるというものではなく、あくまでもその傾向が強いというレベルでしかない。また、「どうしてプロテインキナーゼCエータに特定の型があると脳こうそくが発症しやすいのか」という原因もつかめていない。

とはいえ、治療・予防策へのきっかけが「プロテインキナーゼCエータ」にあることがわかっただけでも大きな成果といえる。なぜなら今後、少なくともこれを調べていけば、何らかの解消方法が見つかる可能性が高いからだ。地図も無く目的地に向かうのと、目的地の目印が(はるか遠く、途中に何があるのか分からないのには違いないが)視認できたくらいの違いがある。

具体的な成果を出すにはまだ時間と苦労が必要だろう。が、将来例えば「この注射をすれば脳こうそくにはかかりにくくなりますよ」というものが出来るよう、まい進を続けてほしいものだ。

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