【更新】オーストラリアでの干ばつ続く、食用油も値上げか

2007年01月06日 19:00

菜の花イメージ[読売新聞]はオーストラリア伝として1月6日、オーストラリアでの干ばつが一向におさまる気配を見せず、2006年のオーストラリア産菜種油(なたねあぶら)の対日輸出量が前年比2~3割減になる見通しであることを明らかにした。日本では輸入量のうち2割近くをオーストラリア産に依存しており、元記事では食用油の価格にも影響する可能性を示唆している。

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日本国内の食用油メーカーなどが推計した、2006年産におけるオーストラリア産菜種油の日本向け輸出量は11月までで前年同期比27.5%減の30万8000トン。12月分を含めても大幅減は確実とのこと。

菜種油は原油が高止まりしている中でヨーロッパでディーゼル車の燃料としての需要が増えていることもあり、引き合いの手が多く、日本向けの分の価格高騰は避けられない状況が続いていた。また、【輸入麦の価格ルール変更でパンやうどん、焼酎などの値段に影響か】にもあるようにオーストラリアの干ばつは深刻な状況が続いており、小麦やとうもろこしなどの穀物をはじめ、各農産物の生産量が激減している。今年に入っても干ばつの状況は続いており、「欧州産菜種油の日本向け輸出量がゼロに落ち込む事態も想定せざるを得ない」というコメントが商事会社から寄せられるほどだという。

オーストラリアの干ばつの状況は、元々降水量が少ない同地において、ここ10年間少雨状態が続いた上に、去年からは例年の1/3~1/4程度の雨しか降らず、地域によっては一か月一度も降雨のなかった地域もあるとのこと。穀物収穫量が半減した2002年の干ばつを上回り、気象観測開始以来最悪の状況であるとすらいわれている。小麦に限っても前年度比63%減、今回の菜種油や大麦も6割から7割の減少が見込まれるとのこと。水資源確保のために対策室を設けたり緊急支援予算を組んだりしているが、雨そのものが降らなければまさに「焼け石に水」に過ぎないと悲観的な声が多数を占めている。

オーストラリアは世界的に見てもアメリカ・カナダに続く小麦輸出国。すでに先物相場では大きな影響が出始めている。今後先物だけでなく、菜種油から作られる食用油のように、食品から生み出される加工品への価格にも影響が生じるかもしれない。


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(最終更新:2013/08/23)

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