【更新】国内証券取引所の統合・再編構想浮上、読売報じる

2007年01月05日 06:30

株式イメージ[読売新聞]は1月4日、【東京証券取引所】など日本国内の6証券取引所の統合・再編構想が浮上していることを報じた。持ち株会社「日本証券取引所(仮称)」を設立し、傘下に現物や先物などの市場運営会社や、企業の上場審査を行う自主規制会社などを置くスタイルと採るという。この構想には、日本国内の証券取引所を一本化して市場運営を効率化し、国際的な取引所同士の統合・連携案に備える狙いがあるという。

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元記事によると対象となる取引所は東京・大阪・名古屋・福岡・札幌の6取引所。「日本証券業協会の関係者が水面下で金融庁や証券会社などに打診し」【金融庁】側も理解を示していると報じている。

具体案としては

1.東証を中心とする現物株市場
2.【大阪証券取引所(8697)】を中心とする先物市場
3.東証マザーズやジャスダックなどを統合した新興企業向け市場


の3運営会社を設立し、さらにそれらの市場の上場基準を判断管理する自主規制会社を設置し、4社体制を確立して持ち株会社の参加に置く計画だという。

すでに【東証、上場に先立ち10月にも持ち株会社へ】でも報じているように、東証は上場に向けて10月には持ち株会社に移行する。今回明らかになった構想案は、この東証の新組織を軸に他の証券取引所を統合していく形をとっている。また、金融取引を監督する各省庁でも、「国内市場間の競争促進より、統合して日本国内取引所としての力を強化し、海外との連合や競争に備えた方がよい」という考えに転換しつつあると報じている。

もちろん上記具体案では「結局東証におんぶにだっこではないか」「他証券取引所が単に吸収されるだけの話」「国内において競争原理が働かないと独走を許すことになる」という反発が出るのは必至。その一方、「国内取引所の力が強まる」という意向の他に、「地方取引所上場銘柄が統一されてメジャー化すれば取引も活発になり価値も高まる」「一部取引所では『上場基準が甘いから』という理由で選択され、金融市場そのものの信頼性を低めるような企業が上場しているので統一して基準を底上げした方が良い」という意見もある。

今回の報道には[大証の発表]にもあるように各証券取引所は肯定していない。ただ、言い回しが「現在のところ公表すべき事実はございません」というもので微妙な表現なのが気になる。何らかの形で水面下での動きがあることは、容易に想像できるだろう。恐らくは東証の上場にあわせて、さまざまな方面で色々な動きがあり、そのうちの一つが表面化した、ということなのだろう。

統合証券取引所こと「日本証券取引所(仮称)」が単なる水面下の動きだけで終わったとしても、地方の中小銘柄に注目が集まるのなら、それはそれで市場の活性化に寄与したことになる。「ナシになりました」という時の失望も大きいだろうが、それまでは夢を見させてくれるに違いない。

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