今度はスタバが「トランス脂肪酸使いません」宣言、まずはアメリカの半数の店舗で
2007年01月03日 20:00
【ロイター通信】が1月2日に伝えたところによると、アメリカのコーヒーチェーン店大手の【スターバックス】は1月3日から、アメリカ国内における約半数の店舗で、心臓疾患や肥満との関連性が指摘されている「トランス脂肪酸」を使わない方針を明らかにした。この変更でトランス脂肪酸関連のものを取り除くためにメニューをリニューアルすることになる。くた、今年中にはすべてのアメリカの店舗で同様にメニューを切り替え、トランス脂肪酸を無くすとのこと。
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スターバックスの広報担当であるBrandon Borrman氏は「今年中にすべてのメニューの切り替えが終わります(The plan is that we will complete this this year)」と述べると共に、スターバックスはこの「メニューからトランス脂肪酸を取り除く取り組みは2年前から行っていた(Starbucks has been working on cutting trans fats from its products for about two years.)」と語っている。なお現在のところスターバックスの公式サイトには今リリースは掲載されていない。また日本のスターバックスでは今件について一切報じていない。
トランス脂肪酸とは【トランス脂肪酸、日本の食品は……?】にもあるように、人工添加物の一種で、植物油に水素を加えて固める時に発生する油。言い換えれば油を加熱処理した時にできるもの。日持ちを良くする性質があるので、特にお菓子などによく含まれるマーガリンやショートニングなどにも含まれる。またこのトランス脂肪酸なるもの、自然界にはほとんど存在しない。
問題点として、肥満や心臓疾患との関連だけでなく、体の各所で炎症を引き起こす引き金となりうることが指摘されている。具体例を挙げると、花の粘膜絡みで花粉症、皮膚の細胞膜関係でアトピー性皮膚炎の連動性が指摘されている。さらに難病の一つ、クローン病のトリガーになるともいわれている。
また最近のアメリカでの動きでは【ニューヨークでトランス脂肪酸の食用油を全面使用禁止へ】にもあるようにニューヨーク市で全面使用禁止令が出たほか、【米ケンタでもトランス脂肪酸の使用を中止へ】や【アメリカのディズニーも肥満対策へ、レストランのメニューを刷新】にもあるように、ケンタッキーやディズニーなどでもトランス脂肪酸を使わない動きが加速しつつある。
【トランス脂肪酸、日本の食品は……?】でも説明したが、アメリカやヨーロッパと比べて日本ではトランス脂肪酸の摂取量・供給量そのものが少ないこともあり、まだ大きく取り上げられてはいない。しかし規制そのものがないこともあわせ、注意をしなければいけないという声は確実に高まりつつあるのが実情。
今後、恐らくは外資系の食品会社が(本国の規制に習う形で)率先し、日本国内でもトランス脂肪酸に対するルール作りや使用量の制限が強化されていくのだろう。
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