民放連会長、NHKの受信料値下げを支持・ただし条件付き

2007年01月19日 06:30

時節イメージ【日本民間放送連盟】の会長で【テレビ朝日(9409)】の会長でもある広瀬道貞氏は1月18日の会見で、菅義偉総務相がNHKに受信料の2割ほどの値下げを要請していることについて「NHK自身が視聴者に利益還元するというメッセージを出すべき」とコメントし、値下げ案を支持する考えを示した。同時に予定されている放送法の改正で受信料の支払いが義務化されれば、NHK側では収入増がはかれ徴収コストも抑えられるという考え方から。

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ただし受信料値下げの時期については「支払いの義務化によりお金が円満に集まってくる時期になれば」という条件をも表意し、菅総務相の「2008年から2割値下げ」という具体的なスケジュールには同意せず「契約数が何割を超えたらこれぐらい値下げしますというぐらいがいい」として、NHK側に判断を任せるべきだという見解も示している。

菅総務相による訪問先での発言をきっかけに始まった、総務省とNHKによる「受信料義務化」「受信料2割値下げ」に関する応酬に、今回民放連会長が折衷案を出してきた形。とはいえ、NHKは現在ですら「努力してるが駄目だから値下げは出来ない」と説明し、値下げを拒んでいる。「契約数が増えて収入が安定したら受信料を値下げすると約束したところで、いざ増えたら何かしら理由をつけて約束を反故にするに決まってる。信用できるか」という反発を受けるのは必至だろう。

さらに「法律で受信料支払いを義務化するということは≒税金になるが、それならばNHKという組織そのものを国有化すべきではないのか。他の放送局へ同様の措置をしないのは差別ではないか」「支払いだけ国に税金化してもらって安穏としているのはいかがなものか」「選挙もなければ株式の公開もない。問題を起こしても視聴者がチェックしアクションを起こす機会もなく、受信料のみ義務化は納得がいかない」という疑問にはまったく応えていないことになる。

今後NHK側がどのように、納得行く形での説明・行動をするのかが気になるところだ。

最後に、いつもの図式更新版を。

「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
 ↓
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
 ↓
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
 ↓
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
 ↓
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
 ↓
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
 ↓
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)←今ここ


(最終更新:2013/08/23)

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