米軍、F-15などの戦闘機にパトリオットミサイルPAC3搭載実験
2007年01月04日 19:30
【DedenseNews.com】が伝えるところによると【ロッキードマーチン社】の関係者は1月3日までに、弾道ミサイル迎撃用として用いられているパトリオットミサイルを、F-15などの戦闘機に搭載する実験をしていることが明らかになった。
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ロッキード社のミサイル部門と火器管制部門はパトリオットの最新型バージョンPAC3型をF-15戦闘機の主翼下部に装備するべく、アメリカのミサイル防衛部局(Missile Defense Agency)と共に研究中であると、この部局の部局長でもある副社長のMike Trotsky氏が語ったとのこと。この事業にはすでに200万ドルの予算が割り振られており、さらに300万ドルが他の戦闘機への搭載研究のために新たに配分されるであろうことも述べている。
搭載予定戦闘機については、現在F-15でのみ行われている研究が、今後はF-22やF-35、F-16などにも行われるとコメント。通常は地上に設置された発射筒付車両から打ち出されるPAC-3を戦闘機に取り付けることには成功したとしている。また戦闘機に搭載することで、地上発射タイプよりも、より良いポジションで敵ミサイルを迎撃することができるとし、そのメリットを強調した。
通常車両に搭載される「ミサイル発射用装備を戦闘機に搭載できるのだろうか」という重量の点からの疑問については、(列挙した戦闘機になら)ミサイル本体も含めた関連装備を搭載しても問題ないだけの能力は持ち合わせていると回答。また、パトリオットミサイルは通常発射筒以外にレーダー車両を随伴し、そのレーダーの情報を元に誘導をしていくわけだが、そのレーダー部分については「戦闘機が持つセンサーが、各種データをミサイルに提供する」と説明している。
高度や機動力を考えると確かに車両搭載型よりは戦闘機搭載型の方が柔軟性に富むのは間違いない。ましてやPAC3は弾道弾には有効なものの有効射程距離が15キロ前後しかないといわれている。PAC3自身にではなく搭載している方に機動力を持たせることで、守備範囲を飛躍的に広めることが可能になる今回の実験は、非常に期待が持てるものといえよう。とはいえ稼働率に変わりはないか、命中率が下がらないかなど気になる点もなくはないので、今後の情報公開を待ちたいところだ。
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