軍関連の出品内容を見てみると、F-16戦闘機以外にはM-1戦車、第二次大戦中のアメリカの主力戦車であるM4シャーマン、そしてなぜか湾岸戦争で一躍有名になった中距離弾道弾スカッドミサイルとそのキャリアーまで販売されている。「アメリカって実に自由奔放なんだな」と恐ろしささえ感じてしまう。

F-16戦闘機、M1エイブラムス戦車、そしてスカッドミサイルキャリアー。安いものだと(M4シャーマン戦車)5000ドル強から販売中。

……はい、もうお分かりの通り、これらはすべて本物の戦闘機や戦車ではありません。「風船」によって創られたレプリカ。空を飛ぶわけではなくキャタピラで走るわけでもなく、ましてや弾道弾を発射することなど無いのでご安心を※。

ページの説明によると、

とある。

【このお店のebay支店】を見てみると、確かに戦車や戦闘機の他に、数メートルもあるブルドックやギター、サッカーボールに自由の女神、ハンバーガーに携帯電話(ただし人間の倍くらいのサイズ)、果てはトイレの便器まで(何に使うんだ……?)。色々な意味でインパクトを周囲に与えるのは間違いない。

巨大なトイレの便器(風船製)。何に使うのだろうか……。

これら巨大な風船を設置することでイベントは非常に盛り上がるに違いない。さらに遠くからも一目で分かるので、周囲に向けた宣伝効果も高い。とはいえ日本では、時々飛行船で宣伝が行われたり、アニメや映画の宣伝が描かれたトラックが街中を走るのを見かけるが、このような巨大風船を使ったイベントはほとんど見受けられない。それらを置く場所がない、というのが最大の理由だろう。日本ではこれらの「風船」を使うのは難しそうだ。

それでもお店の風船たちを見ていると、「何でも創れるというのなら、あのキャラクタやアレを作って欲しいよなあ」という気持ちがわき上がってくるのも事実。(アメリカにとっての)海外への輸出ができるかどうかは不明だが(よもや「武器」輸出にはあたるまい)、誰か頼んでみる豪快な人が出てこないか、少々期待していたりもする。

※ただ、造型があまりにも本物に似通っているこれらのような風船レプリカ、軍用としてもオトリとして使われることもある。赤外線探知装置なども、内部に発電機を入れておけばごまかせてしまう。一発数千万円もするミサイルを、これら数百万円のオトリで消耗させるのなら安いものだ、という考え方。前世紀の湾岸戦争でイラク軍によって使われたのでは、という話もあるくらいだ。