【更新】プリオンを無くしてBSEに「物理的に感染しない牛」、食肉への利用は不可と判明
2007年01月06日 19:00
先に【BSE解明にカギか・プリオン持たない牛の飼育に成功】で報じた、遺伝子操作によりプリオンそのものを失くした牛を作り出し、プリオン(脳内たんぱく質の一種)の増殖が元で発生するBSE(牛海綿状脳症)の心配が要らない牛が開発されそうだという件について、少なくとも現時点では食用には用いられないことが判明した([参照記事:産経新聞])。
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プリオンを持たない牛の誕生過程は先に報じたとおりだが、今牛について食肉用ではなく医薬品用などに開発されたものと元記事では報じている。いわく、食肉への遺伝子組み換え技術の応用は認められていないため、この技術を用いることはできないとのこと。つまり仮にプリオンが存在しない=BSEの心配が無い牛が「開発」されても、医薬品の素材用として用いられるだけで、直接人間の口に肉として入る可能性はないとのこと。
先の記事では「たとえBSEにかかる可能性がゼロだったとしても、プリオンなし成牛を牛肉摂取用として飼育するのは勘弁して欲しい気がする」と感想を述べていたが、これは単なる杞憂に済んだようだ。当方同様に胸をなでおろしている人も多いのではないだろうか。
ただ、「問題部位そのものを失くす」というダイレクトな解決方法は、きわめて独創的であるのも事実。現在はともかく将来において、これらの牛が流通する可能性がゼロとはいえず、色々と考えさせられるところがあるのも否定出来ない。
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