BSE解明にカギか・プリオン持たない牛の飼育に成功

2007年01月01日 18:30

牛イメージ【asahi.com】が伝えるところによると、【キリンビール(2503)】など日米の研究チームが牛海綿状脳症(BSE)の発症に関係するといわれているたんぱく質「プリオン」を持たない牛を、遺伝子操作などで誕生させ、20か月以上健康に育てることに成功したという。BSE発症の仕組みを解明する手がかりが得られるだけでなく、BSEの発症部位であるプリオン自身がないことから、BSEの心配が無い家畜作りにもつながると見られるという。

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詳細は元記事にもあるが、元々医薬品開発に役立てるモデル動物として作られた「プリオン無しの牛」12頭のうち、実際に実験に使われた3頭以外の9頭すべてが20か月過ぎても生存しつづけ、異常のないまま成牛にまで成長したという。

元々BSEは「プリオンが何らかの理由で異常増殖して脳内に蓄積することが原因」なため、「元々のプリオンが無ければBSEも起きえない」のでは、という発想があるようだ。プリオンそのものが何の役割を果たすのかはいまだに不明だが、少なくとも成長過程ではプリオンは影響を与えないようであることも今回の実験で判明した。研究チームでは成牛になったこの「プリオン無し牛」に異常プリオンを接種して、異常が現れるかどうかの実験を進めているという。

「増える部位そのものをはじめから無くしてしまえばよい」というのはあまりにも大胆な発想。BSEの発生過程やその仕組みを解き明かすのに、この「プリオン無し牛」は重要な役割を果たすに違いないだろう。今後の研究成果に期待したい。

が、遺伝子操作が十分以上に行われているのも事実。たとえ「BSEにかかる可能性がゼロ」だったとしても、「プリオンなし成牛」を牛肉摂取用として飼育するのは勘弁して欲しい気がする。

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