ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・4(まとめ)
2007年01月08日 22:00
「ステルスマーケティング」に関するコラム、最後にまとめ。
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●極論として「ステルス」でもOK。でもね……
極論になるが、「ステルスマーケティング」でだまされるのもありかな、という考え「も」当方(不破)にはある。ただそれには二つ前提があって、ひとつは「本当にそれが良いもの、サービスであること。うそ偽り無く他人にお勧めできると胸を張って断言できるものである」こと。もう一つは「上手にステルスしてよ」ということ。
「ステルス」という言葉でまず思い浮かぶであろう「ステルス戦闘機」の代表格F-117も、戦闘機そのものの性能としては通常戦闘機のそれに劣る。ステルス戦闘機は「ステルス」であるからこそ最高の能力を発揮できるのであって、それが活かされなければ二線級のものでしかない。化けの皮がはがされては、その「皮」の存在価値は無いのである。
この2つの条件がクリアできれば、それこそ「ウソも方便」ではないが、「ステルスマーケティング」だろうが何だろうがかまわない。ただ、最近は単に「ステルスマーケティングをすれば安価で絶大な口コミ効果が狙えますよ。ネットを使ってブログで広めれば、普通の広告手段よりも迅速に、バイラルマーケティング的な宣伝ができますよ」と主張せんがばかりに「ステルスマーケティング」を行い、安易な手法を採るものが多い。それだからあっという間に事実が発覚して「炎上」してしまうことになる。
むしろ本当の意味で「正直で真摯」な態度をとり、(ネット上の)口コミ効果を期待するならそのお膳立てだけを用意し、あとは天命を待つのが一番ではないだろうか。例えるのなら、試験でよい点数を取るためには試験勉強を一生懸命にする(よい商品・サービスを創る)べきであり、効果的な学習方法を取り入れる(お膳立てを用意する)のは望ましいことではあるが、試験当日にカンニングをする(「ステルスマーケティング」をする)のはほめられるべきことではない、ということだ。まぁ、カンニングは違法行為だが、「ステルスマーケティング」は今のところ違法行為では無いのが違いといえば違いではあるのだが。
ネット上のバイラルマーケティング効果を獲得するために「ステルスマーケティング」をするは別に悪いことではない。企業が事業化して展開するのもいいだろう。ただ、こういうのは絶対表立ってやってはいけない。別にだまされる……というと表現が悪いかもしれないが、「ステルス」されてもかまわない。ただ、やるのならお互いがもっと気持ちよいものにして欲しい。もし事が発覚しても「あはは」と笑えるようにしてほしいものだ。
最後に一句詠んでおこう。
だますなら もっと上手にだましてよ 裏切り分かって 憎さ百倍
(ステルスマーケティングと、ばれた時の「炎上」を詠んで)
お粗末さまでした。
■一連の記事:
【ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・1(定義)】
【2(発覚時)】
【3(なぜ流行るのか)】
【4(まとめ)】
(最終更新:2013/08/23)
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