NHKでは関係者の話として、両社は田辺製薬が、三菱ウェルファーマの親会社である三菱ケミカルホールディングスの傘下に入る形で経営統合を行う方向で調整を続けているとのこと。三菱ウェルファーマは製薬業界第7位、田辺製薬は創業300年超の老舗製薬メーカー。統合が実現のものになれば年間4000億円の売り上げをあげる、業界第5位の製薬メーカーが誕生することになる。

製薬業界では国際的な規模で業界再編が進んでおり、巨大化した海外メーカーは日本国内にも積極的に進出を図っている。現在それら海外メーカーは国内市場の売り上げの約3割ほどを占めるまでに。今回の経営統合は、規模の拡大を果たすことで新薬開発能力や販売力を強化し、これらの海外メーカーに対抗する狙いがあるという。また、この経営統合が成立すれば、日本国内において他のメーカーも同様の動きを見せるなど、再編の動きが加速する可能性もある。

堅調に見える製薬メーカーも、海外の同業会社と比べれば規模も小さく、それこそ「黒船」が到来すれば飲み込まれてしまう可能性もある。「互いにケンカしてる場合じゃないだろう」ということなのだろう。今後特に中小の製薬会社が提携や経営統合、さらには合従連衡に動く可能性もあり、大いに注目すべきといえよう。