税金+保険料の国民負担、39.7%で過去最高に
2007年01月25日 19:30
【財務省】は1月25日、国民の税金と社会保障の負担の合計が国民所得に占める割合を示す「国民負担率」について、2007年度の予想値を反映したデータを発表した(【国民負担率発表ページ】)。それによると国民負担率は2007年度には過去最高の39.7%に達し、4年連続で上昇して過去最高を更新することが明らかになった。
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国民負担率の上昇について2007年度予想の数字を見てみると、社会保障費は前年と変わらないもの、国税と地方税の双方が前年度比でプラスに推移している。これは定率減税が廃止され、また、法人税の税収が増加することが主な要因。たとえ税率が変わらなくとも、景気が拡大して物価や資金流通量が増えれば税収も増えるため、今後景気が拡大すればされに国民負担率は上昇するものと思われる。
下三層の合計が「国民負担率」。さらに上の層の「財政赤字」を加味した四層が「潜在的な国民負担率」となる。「国民負担率」は増えつつあるが「潜在的国民負担率」は減りつつある、ということになる。
一方データとして並列表記されている「国・地方の財政赤字分を含めた」潜在的国民負担率は、昨年度比で1.3ポイントマイナスの43.2%となり、これは2年ぶりの減少・1996年ごろの水準に近づいたことになる。政府側の主張としては、「財政赤字を縮小し、小さな、そして効率の良い政府に向けてまい進している」ということになるのだろう。これを「国全体の効率の向上化」と採るのか「政策の失敗のツケを国民がとらされている」と採るのかは個人の判断といえよう。
また、データでは各国の「国民負担率」「潜在的国民負担率」も併記されている。
主要各国の「国民負担率」「潜在的国民負担率」。
福祉大国といわれているフランスやスウェーデンでは両負担率が高く、日本はそれらと比べれば大変低い位置にいる……ということなのだろうか(ただし日本以外は2004年度実績であることに注意)。アメリカが財政赤字がキツいことをのぞけば国民負担率が低いこと、スウェーデンの財政赤字がゼロであることなど、意外な事実も分かる。
働いている人の大部分を占めるサラリーマンにとっては、税負担の増加はあまり感じられないかもしれない。缶ジュースの小売価格が100円から110円に上がった話の方が「ああ、税金で負担が増えたな」ということを実感したはずだ。しかしそれはお給料からはすでに各種税金や社会保険料が天引きされているからに他ならない。
まもなく4割に届こうかという租税公課。つまり「四公六民」ということになる。江戸時代の「五公五民」と比べればマシと考えるべきなのか、四割も、と採るべきなのか。せめて「四割もとってるのだから、ムダ使いせずにしっかりと考えて有効に使ってくれよ」と訴えたいものだ。
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