「継続性に問題あり」のらく印を押された企業、3社プラマイで22社と変わらず

2007年01月14日 19:30

株式イメージ2006年9月の中間期における短信決算で「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン、Going Concern)に関する注記」を公認会計士による監査で受けて記載開示した上場企業(新興市場は多すぎるので除く)は2006年3月期における22社と変わらず22社だった。3社が開示を外したものの3社が新たに開示を行った。

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「継続企業の前提」とは企業の活動は永遠に続くものとする考え方で、同時に「企業は継続的に運営し続け、社会的に貢献しなければならない」という意味合いもある。この前提に関して注記がなされた場合、その企業には「もしかしたら企業の経営が継続できなくなるかもしれないよ」と公認会計士(あるいは監査法人)からチェックを受けたことになる。当然これは重大な経営リスクに他ならない。

具体的にはこの注記は2003年3月期の決算から用いられた制度で、「1年以内に債務超過や重大な営業損失に陥る可能性があり、企業の存続可能性に疑義がある場合」に明記することが義務付けられている。制度開始時は43社も明記されたが、その後逓減し、20社前半を行き来している状況が続いている。

今回存続リスクについて今回めでたく記載が外れたのは【エコナック(3521)】【シルバー精工(6453)】【マミヤ・オーピー(7991)】。財務の立て直しにめどがつき、継続が可能であると判断された。

逆に開示を余儀なくされたのは【菱和ライフクリエイト(8896)】【ミサワホーム九州(1747)】【サニックス(4651)】。すでにご存知の方も多いだろうが、これら新たに開示した3社はそれぞれ

・菱和ライフクリエイト……元社長の逮捕、起訴※(現在監理ポスト)
(【菱和ライフクリエイト(8896)社長ら、虚偽申請の疑いで逮捕。同社株S安】)
・ミサワホーム九州……不正会計の発覚。資金調達の見通しに懸念※(上場廃止予定)
(【売上の繰上計上の件でミサワホーム九州(1747)など正式発表、監理ポスト行きへ】)
・サニックス……四期連続連結最終赤字


などの問題を抱えている。

また、既存の開示会社では有名どころとして【三菱自動車(7211)】【三洋電機(6764)】などが挙げられる。

決算短信をすみずみまで読む人はあまりいないだろうが、手持ち銘柄における会計関連の発表資料くらいは目を通しておきたいものだ。

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