ソフトなし、サーバそのものは30万円程度・押収された近未来通信のサーバーの価値判明

2007年01月11日 07:45

近未来通信のIP電話イメージ【日刊県民福井】によると、先にIP電話事業を行い「多額の配当が得られる」として多数の人から出資金を集めた近未来通信(近未來通信)による詐欺事件で、警視庁捜査二課が押収したサーバーの多くは、プログラムソフトすら組み込まれていない30万円程度のものだったことが明らかになった。捜査二課では引き続き全国に点在しているサーバーを押収し、関係者の事実聴取を進めて事件の全容解明を急ぐとしている。

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近未来通信社では日本国内に94か所、海外では29か所の中継局にサーバー計2466台を設置したと説明している。ところが調べによればサーバーの多くは電源コードすらつながっておらず、空調維持のための換気扇も周っていなかったという。総務省の調査で稼動が確認できたサーバーは日本国内の2台だけだったとのこと。

今回のような事実を受けて、設置されたサーバーが実際の業務に使用するためではなく、単に出資者を信用させるための「はりぼてのようなもの」だった可能性が強まったとし、当局では詐欺容疑を立件するための重要な証拠の一つとみているようだ。

なお「サーバーが実際には動いておらず、単なる飾りではないか」という指摘は、【近未来通信の本社閉鎖、2支店も電話通じず。営業事務所も「何も聞いていない」】にもあるように、2006年11月19日TBS系列の[このリンク先のページ(tbs.co.jpなど)は掲載が終了しています]でその内情といわれるものが報じられ、各契約者が購入し運営を任されているといわれているIP電話用のサーバが、ラック(入れ物、ケース)に入ったまま半ば放置され、外部との通信ケーブルすら接続されていない状況が映し出された時にもあった。近未来通信の社長石井優氏はこの時「たまたま」回線の付け替えをしている時のものであり、なんら問題はないと回答。しかし専門家は「接続そのものがされていない、一時的に取り外しただけとは考えにくい」と分析していた。

今回はりぼてサーバーという事実が明らかになったわけだが、「報道特集」の報道後近未来通信社関連の事態が急転したのは、やはり「化けの皮がはがれたから」ということになるのだろう。当局には「だまし逃げ」ということがないよう、関係者を補足すると共に厳しく取り締まって欲しいものだ。


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(最終更新:2013/08/23)

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