【更新】不二家(2211)、調査結果報告と社長が辞意表明・森永製菓(2201)が支援の動き

2007年01月16日 08:00

不二家イメージ期限切れの牛乳などを使って商品を生産していた件で【不二家(2211)】は1月15日、現状における調査結果報告を行った(【発表リリース、トップページ1月15日分】)。また、現社長の藤井林太郎社長は事態が収拾出来次第辞任するとの考えを明らかにした([発表リリース、PDF])さらに今回の件で資本関係のある【森永製菓(2201)】が、不二家から要請があれば業務面で支援する用意があると[NHK]が報じた。

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調査結果では5工場のうち埼玉・札幌両工場について

●埼玉工場
・消費期限または賞味期限を過ぎた原料の使用18件(牛乳、生クリーム、卵類)
 ……うち2件は上司の指示による
・プリンとシュークリームの消費期限社内基準の超過
 ……工場長以下関係者全員が容認。同様の違反は頻発。
・シューロールの一般生菌数の基準超過
 ……社内基準の640倍以下の細菌が発見。生産出荷数は678個。

●札幌工場
・洋生菓子の一般生菌数の基準超過
 ……社内基準の10倍以下の細菌が発見された例が6件。
(以上リリース抜粋)


などの結果が判明。現時点では特に埼玉工場がずさんだったことがわかる。また他の工場やサブフランチャイズの2工場も調査中であるとのこと。リリースでは今件を受けて「会社の体質そのものに重大な問題があるものと認識」しているとコメント、「生産対策委員会」(藤井社長委員長)を設立し、運営を開始したとも発表した。洋菓子の販売再開は2月上旬ごろになる見通しだという。

不二家のお菓子イメージまた、NHKなどが報じたところによれば、資本業務関係のある森永製菓が、不二家から要請があれば工場の品質管理などの点で支援する用意があることが明らかになった。先に【不二家(2211)、営業停止の全国フランチャイズ店に対し休業補償へ・「期限内の牛乳を使う」ルールは無かったのか?】でも報じたように全国のフランチャイズ店に対する補償金の支払いも発表しているが、これは1週間で1億円以上が必要になるともされ、経営基盤が磐石ではない不二家の屋台骨そのものが危うくなる可能性もある。

これを受けて不二家と互いに株式を保有しあい(不二家の第二位株主に森永が500万株・3.9%、森永製菓の第九位株主に不二家が500万株・1.8%)、業務面でも提携関係にある森永製菓が、「要請があれば問題の工場における品質管理体制の強化」など、業務面での支援に応じる用意があると関係者が話していることをNHKが伝えている。ただし現段階では不二家の第三者割当増資による株式買い増しなど、資本関係の強化は難しいとのこと。

不二家ではこの支援の動きに対し、基本的に洋菓子部門などの事業売却は行わずに自力再建を目指す方針であるものの、場合によっては他社の支援を受けることも検討するとのことである。

マニュアルが無い、マニュアルがあっても守られていない、してはいけないことだと分かっているのにやってしまいそれが日常茶飯事化してしまうなど、「これが東証一部上場企業の、有名ブランド食品会社の現状なのか」と、今件の不二家の騒動には株主で無くとも頭を抱える人も少なくないだろう。不二家の商品のファンならなおさらだ。

「災い転じて福となす」ではないが、今件をきっかけとして、時間はかかるかもしれないが、恥じることの無いようなしっかりとした体制を作り上げてほしい。後に「あんなこともあったけど、今となってはあれが元で弊社は発展できました」と笑いながら語れるようになることを望みたいものだ。


■関連記事:
【不二家(2211)、営業停止の全国フランチャイズ店に対し休業補償へ・「期限内の牛乳を使う」ルールは無かったのか?】
【「寝てないんだよ」では済まない・不二家(2211)での消費期限切れ材料を用いたお菓子出荷が続々発覚】


(最終更新:2013/09/02)

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