【更新】「2週間分の食料、水、日用品の備蓄」など新型インフルエンザの流行抑止に12の指針
2007年01月20日 10:00
[YOMIURI ONLINE]によると人への感染力が強い「新型インフルエンザ」の大流行(パンデミック)に備え、【厚生労働省】では1月19日に専門家会議を開き、国や自治体、民間企業、市町村、家庭が採るべき対応策の基本方針12指針を公表した。これは新型インフルエンザの発生後における具体的な対策を初めてまとめたもので、国民の生活を脅かす危機に対する管理体制を確立する狙いがあるという。
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厚生労働省では【パブリックコメント】として国民からも意見を求めて今年度中に指針を決定(※当記事執筆の1月20日午前現在、掲載はまだ行われていない)し、都道府県などの自治体に同様の指針策定を求めて実効性を確保するという。
新型インフルエンザとは【1人から4日で30人、8日で8500人、10日で12万人……新型インフルエンザの被害予測を国立感染研究所が検証】でも説明したが、鳥類などに感染するインフルエンザA型ウイルスが変異して「人から人へ」感染するタイプになった(なる)もの。病原性が強い場合、日本国内だけでも200万人が入院する可能性があるという。
指針案による各方面への対応は次の通り。
●国、自治体の対応
(早期対応戦略指針)
・発生直後に患者を隔離。患者と接触した人の行動制限。
・発生から72時間以内に状況を把握し、72時間以内に状況を評価。
・抗ウイルス薬の投与対象者の決定、交通制限や集会の自粛、学校の臨時休校など封じ込め策を決定。
(医療体制指針)
・発熱外来を設置。
・公共施設などに収納場所の確保。
(ワクチン指針)
・新型ウイルスに有効なワクチンが完成し次第、国民全員を接種対象とするが、数に限りがある場合「重症になりやすい人」「大人」「子ども」「高齢者」に分類し、接種の優先順位を決める。
●民間企業
・従業員の健康管理、感染予防策の実施。
・電気、ガス、水道、食料、交通、病院などライフライン関係事業者は流行時も事業継続。
・不要な会議などの自粛。在宅勤務の励行。公共交通機関の利用回避。
●市町村
・患者家族や独居家庭への食料、水の配達。
●家庭
・二週間分の食料、水、日用品の備蓄。
・流行時の外出自粛。
一昨年の行動計画と比べると指針が具体化しており、状況のひっ迫感を感じとることができる。小松左京の小説を映画化した『復活の日』ではないが、危機をあおるというものではなく、迫り来ているかもしれないパンデミックへ対処する方策を模索するのは、大いに意義がある。今後も関係各機関の発表を注意深く見守りたいところだ。
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(最終更新:2013/09/13)
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