ネットスターのフィルタ用URLデータがNTTドコモ(9437)に採用
2006年12月03日 09:00
【ネットスター】は11月30日、同社のURLデータベースが【NTTドコモ(9437)】が開始する迷惑メール対策に用いられることを明らかにした(【発表リリース】)。これまでもドコモではネットスターのデータを用いて子ども向けサービス「Kid's iモードプラス」を提供しているが、それに続く採用となる。
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今回ドコモがネットスターのデータを元に開始するサービスは「URL付メール拒否機能」という迷惑メール対策。アダルト系や出会い系などに分類されるサイトやページのURLが記載されているメールを、ドコモのサーバー上で受信拒否することが可能になる。この「表記されているURLを元に受信するかどうか」を判断するURLデータベースをネットスターが構築提供する。
リリースでも指摘されているように、携帯電話向けメールでは、携帯電話からアクセスした場合とパソコンからの場合で表示が異なるものが存在する。これは何も難しいものでなく、アクセス元のIPなどをチェックする「仕組み」を対象ページ(近辺)に仕掛ければよいだけの話。いざとなれば「JavaScriptが携帯電話では無効になる」というルールを使えば簡単にその仕組みを作ることもできる。
よって、フィルタ用URLの構築と分類には、独自のノウハウと地道なリサーチが必要になる。ネットスターでは自称国内最大規模のURLリサーチセンターを構築運営し、さらに専用チームを編成してデータベースの構築と改良に励んでいるという。
当方(不破)も当サイトなどで運営している各種掲示板やその他場所で用いるべく、URLのフィルタリストを独自に構築し、逐次更新している。ネットスターがどのような「独自技術」でフィルタリストを精度の高いものにしているかは不明だが、当方のような個人ベースでは基本的に「対処法的手立て」によるものしかない。つまり、実際に既存フィルタを通過した「問題URL」が見つかった場合、逐次フィルタリストに追加していくという形だ。
このようなフィルタを作っていると分かるのだが、フィルタリストは逐次更新していく必要があると共に、経験を積んで鍛え上げるほどそれだけで財産になるものだ。それはセキュリティソフトが逐次データベースの更新をアップグレードデータのダウンロードサービスで行っていることからもご理解いただけるはず。
逆に、例えば不特定多数の掲示板にスパム宣伝書き込みを行うスットコスクリプトの販売供給元でも、「書き込み先掲示板URLのアフターケア的アップグレードサービス」で追加料金を採るような仕組みがあるように、防ぐ側と攻める側の「フィルタリング攻防戦」がいたちごっこ状態にあることが分かる。
特に最近ではお気軽・安価にドメインが取得できるようになったため、次から次へと新しいURLを用いることでフィルタを避ける手法が用いられるようになり、当方も含めたフィルタ製作関係者の頭を痛めている。当方の場合は自分自身のために使うものだから影響も本人に限定されるが、今回のようなネットスター社など他人に供給する場合となると、安穏としてもいられないだろう。もっとも逆に考えれば、それだけ「仕事」が増えるということにもなり、「ゴーイングコンサーン」を掲げる企業としてはありがたい話でもあるのだが。
ともあれ、フィルタリングのニーズは無くなるどころか今後も増え続けるだろうし、そのノウハウのビジネスとしての可能性はますます高まることだろう。
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(最終更新:2013/08/24)
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