バイオエタノール混入のガソリン、名称「バイオガソリン」に
2006年12月31日 18:00
[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると石油元売り業界はバイオエタノール(バイオマス燃料)を混ぜ合わせたガソリンについて、「バイオガソリン」という名称で来年2007年4月から一般に販売することを決定した。
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サトウキビや廃材を原材料とするバイオエタノールは、石油などの化石燃料と異なり燃やした際の二酸化炭素の排出量をゼロとして各種計算を行うことから、地球温暖化の防止につながるものとして、政府も生産・普及に向けた取り組みを続けている。
石油元売り業界である【石油連盟】では【石油連盟、バイオエタノール原料の輸入事業組合を1月設立】でも報じたように、2007年4月からバイオエタノール燃料の販売をめざしているが、同記事が報じたところによると
・燃料そのものはフランスから輸入
・レギュラーガソリンと混ぜ合わせて販売
・名称は「バイオガソリン」
ということに決まったとしている。
フランスの
バイオエタノール工場
(【http://www.arvalisinstitutduvegetal.fr/】)
「バイオガソリン」の販売は上記の記事にもあるように首都圏50のガソリンスタンドで開始。石油に比べて割高な調達コストは業界側が負担し、価格をレギュラーガソリン並にして、普及を促進する考え。2008年には100か所までに増やし、2009年度には1000か所までに拡大し、2010年の本格導入にそなえるが、まずは日本国内での本格的な生産体制の整備と、バイオエタノール燃料に関する消費者の理解を得ることが課題。
さらにこれまでにも報じているように、石油連盟側と政府側が推し進めるバイオエタノール精製方法はそれぞれ異なる問題が、まだ解決していないはず。「バイオガソリン」の普及促進には全面的に注力してほしいが、拙速に走り、消費者の混乱を招くことだけは避けて欲しいものだ。
なお、バイオエタノールの先進国であり、唯一の大規模輸出が可能なブラジル(【参照:キリンビール(2503)、ビールの副産物でバイオ燃料抽出実験・産経新聞など報ず】)ではなくフランスからの輸入を検討しているのかについてだが、【十勝毎日新聞の記事】によると、EU内では最大の農業国であるフランスでは、余剰農産物をエタノール化する産業が盛んだそうな。食糧を廃棄処分することなく新たな商品として付加価値をつけることもできるし、直接・間接的に農地・農家を保全することができるからだ。これなら「フランスからの輸入」という話が出てきてもおかしくはないだろう。
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(最終更新:2013/08/23)
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