【更新】東証、ミサワホームグループの粉飾決算疑惑に「上場廃止の可能性は低い」!?

2006年12月18日 06:30

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]によると先に【ミサワホーム九州(1747)、5年に渡る粉飾決算の疑い・親会社のミサワHDも粉飾扱いか】で報じたように住宅大手【ミサワホームホールディングス(1722)】の連結子会社[ミサワホーム九州(1747)]が2006年3月期までの6年間、決算を粉飾していた疑いがある件で、【東京証券取引所】側が「上場廃止の可能性は低い」と言及していることが明らかになった。

スポンサードリンク

今件はミサワホーム九州が営業成績をかさ上げするため、住宅販売について売上を前倒しして計上し、有価証券報告書に虚偽の報告をした疑い。連結対象の親会社・ミサワホームホールディングも決算の訂正が必要とされる。今件についてすでに両社ではその事実を認める発表をしており、本日18日に正式な調査結果の報告のため、記者会見を開く予定。

前倒し計上された額・件数は現在のところ正式発表されてはいないが、第一報を報じた朝日新聞などの報道によると毎年数十~百数十棟あたりで年間数億円から数十億円、総計で最大100億円規模のものになる。手口も表札の差し替えやカーテンの設置で未完成住宅を完成住宅に見せかけて監査法人の目を逃れるなど、巧妙で明確な意志のもとに行われていた。

長年にわたる虚偽報告、そしてその額の大きさから各証券取引所の上場廃止基準(有価証券報告書の虚偽記載)に抵触する恐れも高いと思われていたが、上記参照記事では東証側は「売上高全体から見れば虚偽記載の部分が少なく、上場廃止の可能性は低い」とコメントしているという。

「全体に占めれば少ない」という意見は一理ある。が、例えば先に上場廃止になったライブドアは(現在係争中ではあるが)粉飾額が約40億円と言われている。同レベルの、場合によってはそれを上回る額も想定される粉飾決算が行われていても「全体から比べれば低い」(、さらには「大手老舗だから」「政治的理由によって」など)の理由から上場廃止に関する検討が甘く見られていると思われても仕方のない判断が下されるのは、あまりにも不公平な気がしてならない。

これでは「なんだ、大手だったり老舗なら、粉飾してもおとがめほとんどなしで上場廃止されることなんてないんじゃないか」と、市場の公正さを疑われても仕方のない思いが個人投資家の間にまん延してしまいかねない。東証をはじめ各取引所が求めて止まない公明正大な市場の形成にまさに逆行しているといえる。

ともあれ本日18日の記者会見の内容と、それに伴う東証をはじめとする各証券取引所の対応を、注意深く見守りたいところだ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ