「認知症」、身近な問題になる一方で正しい理解は不足気味
2006年12月18日 06:30
[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]の調査によると、家族や知り合いに「認知症」の患者がいる人が半数にのぼる一方で、認知症を病気ではなく老化現象ととらえる人が半数に迫るなど、正しい理解は広まっていないことが明らかになった。関係機関にさらなる啓蒙が期待される。
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「認知症」とはかつて「ぼけ」「痴呆症」と表現されていた病気で、脳の細胞が壊れて身の回りのことを正しく認識できなくなるというもの。現在では進行を遅らせる薬(ドネペジル。商品名:アリセプトなど)が開発され、はいかいや妄想などの病症から発生する問題行動も、適切な介護によって減らせることが分かっている。
NHKが11月17日から3日間、20歳以上の1092人に調査した結果によると、次のような結果が出たという。
1.家族や知り合いに認知症患者がいる、いた
はい……47%
2.老化現象であり、病気ではない(※誤認知識)
はい……41%
3.薬が効かない症状である(※同上)
はい……38%
4.問題行動は症状が進めば避けられないので仕方ない(※同上)
はい……69%
5.家族が認知症になったら、どのように介護したいか
施設や自宅の行き来……46%
自宅でホームヘルパーなどの援助を受けながら……25%
2.から4.については上記にあるように間違った話ではあるのだが、それらについて半数弱、場合によっては過半数もの人が誤解をしていることが分かる。
元記事では【認知症介護研究・研修東京センター】の永田久美子主任研究主幹の話として、「正しい理解が広がっていないために、認知症の人本人や家族が、本来ならしなくても良い苦労を抱えている。医療と介護が連携して支えていく仕組みを地域に作り上げることが必要だ」とコメントしているという。
事実を知ることで周囲の環境や生活が大いに変化するという話はよくあること。認知症についても誤解が多く、またその誤解で頭を痛めている人も調査結果から分かるように、少なからずいるはずだ。「老化現象ではなく、老化現象と共に発生しうる病気に過ぎない」「効果のある薬は開発されている」「問題行動も打つ手がないわけではない」ということを知るべきだし、また知ってもらうためにも、上記センターをはじめとする関係機関には、さらなる啓蒙活動にいそしんでほしいものである。
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