穀物価格急騰中……気象災害多発や各方面でのニーズ増加
2006年12月13日 06:30
【共同通信】が伝えるところによると、【国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization、FAO)】は12月12日までに、相次ぐ干ばつや洪水などが原因で、今年の世界の主要穀物の生産量が減少し、小麦やとうもろこしの価格が過去10年で最高額をつけていることが明らかになった(【関連FAOリリース】)。
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FAOの観測によると今年の小麦の生産量は5億9200万トン。昨年から3300万トン・5.3%減少の見込み。アメリカだけでなく旧ソ連領内で収穫が減り、特に【輸入麦の価格ルール変更でパンやうどん、焼酎などの値段に影響か】でも報じているようにオーストラリアでは歴史的な干ばつで平均より44%もの減産となる見込み。
とうもろこしもアメリカ、アルゼンチン、南アフリカなどで降水量の少なさから2.2%の減産の見通し。さらにお米もアジア地域での洪水で予想より500万トン生産量が下回る見通し。
これら生産量の減少に加え、原油価格の高騰や京都議定書などに代表される地球温暖化政策の進展でバイオ燃料向けの需要が急増し、これらの穀物のニーズも高まったのが価格高騰の一因となっている。
つまり、
●異常気象→
・生産量の減少
・「地球温暖化が原因」→「化石燃料の利用を減らそう」→「バイオだ、穀物だ!」
・「石油が値上がりした」→ 〃
●人口増加、文化レベルの向上→食糧消費の増加
など、さまざまな要因が穀物相場を押し上げるものとして存在し、それらが相互に連動しながら勢いを増しつつある。
状況が劇的に改善される見込みは無く、今後も穀物に対するニーズは高まるばかりだろう。またこの動きに連動し、穀物相場で一山当てようとする勢力が買占めを行えば、かつての原油のように需給以上の価格の乱高下も予想される。色々な意味でご注意されたし。
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